MEGURO K3とW800でメグロの聖地・那須烏山を巡るツーリングレポート。龍門の滝、メグロミュージアム、BATOWL Cafeなどを訪れながら、カワサキへ受け継がれた歴史のバトンを感じる旅を紹介します。
画像: Kawasaki MEGURO K3/W800 2026年モデル 総排気量:773cc エンジン形式:空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:790mm 車両重量:227kg/226kg 発売日:2025年11月1日 税込価格:141万9000円/130万9000円 ※写真左がMEGURO K3、右がW800 ▶▶▶MEGURO K3の製品ページはこちら   ▶▶▶W800の製品ページはこちら

Kawasaki
MEGURO K3/W800
2026年モデル

総排気量:773cc
エンジン形式:空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:790mm
車両重量:227kg/226kg

発売日:2025年11月1日
税込価格:141万9000円/130万9000円

※写真左がMEGURO K3、右がW800

▶▶▶MEGURO K3の製品ページはこちら
▶▶▶W800の製品ページはこちら

まだ街が静かな眠りのなかにいる、午前5時。ここは東北道の蓮田。

8月も終わりに近づくこの時期、例年なら早朝からじっとりとした寝苦しい暑さを引きずっているはずなのに、今年の空気はどこか違っていた。

ヘルメットを脱いだ頬を撫でる風は驚くほど涼しくて、大きく深呼吸をすると、澄んだ空気が胸の奥まで透き通っていくような心地よさだった。日差しが出ればまだ暑くなるだろうけれど、この涼やかな風と一緒に走れるなら、きっと最高のツーリングになるだろう。

画像1: MEGURO K3とW800でメグロの聖地・那須烏山へ|おすすめスポットを巡るツーリングレポート

キュル、ドコドコドコ……

空冷バーチカルツインエンジンの重厚な音が、朝の空気を震わせた。先輩は「行こう」と目を向ける。

私もW800のキーを回し、エンジンをかける。二つの力強い和音が重なり合い、心地よいパルスとなって足元から伝わってくる。

画像2: MEGURO K3とW800でメグロの聖地・那須烏山へ|おすすめスポットを巡るツーリングレポート

今日の目的地は、栃木県・那須烏山市。日本のモーターサイクル史にその名を刻む「メグロ」の聖地。大人の休日の、ささやかな旅が幕を開けた。

寄り道、水面が揺れる河原へ

高速道路を北へ向かってクルージング。スピードを追い求めるのではなく、時速80キロから90キロあたりで、エンジンの豊かな脈動を全身で味わいながら風と一体になっていく。

インターチェンジを降りると、景色はいつの間にか、のどかな田園風景へと変わっていた。

信号の少ない快走路。自分のペースでスロットルを開け閉めするたび、エンジンの頼もしい鼓動がダイレクトに伝わってくる。

画像1: 寄り道、水面が揺れる河原へ

橋を渡ると、右手にキラキラと光る川面が見えた。前を走る先輩がふいにウインカーを出し、河原へと続く細い未舗装路へ車体を滑らせる。

ジャリッ、ジャリッと、細いタイヤが小気味よい音を立てて停まる。

エンジンを切ってヘルメットを脱ぐと、川のせせらぎと遠くの野鳥の声だけが耳に届いた。

画像2: 寄り道、水面が揺れる河原へ

澄んだ水をたたえる、雄大な川の流れ。サイドスタンドを立て、バイクの傍らに立つ。反射する光が眩しい。

画像3: 寄り道、水面が揺れる河原へ

都会の喧騒から遠く離れたこの場所では、熱を持った空冷エンジンが「チッ、チッ」と微かな音を立てて冷えていく、その健気な金属音すらも愛おしい。

私も大きく深呼吸をして、澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

特別な観光名所じゃなくても、ただこうして美しい自然の中に愛車と佇むだけで、どうしようもなく心が満たされていくのを感じていた。

神様が住む、龍門の滝

短い休息を終え、再び走り出した私たちが次に向かったのは「龍門の滝」。ここはバイク乗りの間でも有名な観光名所だ。

画像1: 神様が住む、龍門の滝

木立を抜けて遊歩道を下ると視界が開け、ザワァァ…っという音とともに、白い飛沫が目に入る。高さ約20メートル、幅65メートルにも及ぶ巨大な岩肌を、川の水が豪快に滑り落ちていく。

この滝の中段あたりには、男釜・女釜と呼ばれるふたつの大きな穴が開いており、そこには神通力で願いを叶えてくれる龍の神様が住んでいるといわれている。

画像2: 神様が住む、龍門の滝

この場所は、春にはさくら、夏には緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の姿が見られる。きっと神様にとって、居心地が良かったのだろう。

何かお願いをすればよかったのだが、煩悩まみれのお願いは少しバチがあたりそうなので、「交通安全!」とだけ願っておいた。

滝を背にして駐車場へ戻ると、木漏れ日を浴びた2台のバイクが待っていた。クラシカルで流麗なシルエット、艶めく燃料タンクと堂々ときらめくエンブレム。

先輩はグローブをはめると、MEGURO K3のタンクを愛おしそうに撫でた。その横顔は、自分の愛車を誇りに思っている少年のようだった。

画像: 奥に見えるのは「龍門ふるさと民芸館(栃木県那須烏山市滝414)」。営業時間:9時~16時、定休日:火曜日となっており、館内には売店や休憩スペース、カフェなどが併設している。

奥に見えるのは「龍門ふるさと民芸館(栃木県那須烏山市滝414)」。営業時間:9時~16時、定休日:火曜日となっており、館内には売店や休憩スペース、カフェなどが併設している。

聖地・那須烏山、名もなき情熱に出会う

深呼吸をしたあとは、今回メインとなる目的地・山あげ会館へと向かう。

画像: 山あげ会館(栃木県那須烏山市金井2丁目5番26号)、入館時間:9時~16時休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始

山あげ会館(栃木県那須烏山市金井2丁目5番26号)、入館時間:9時~16時休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始

この美しい街・那須烏山は、かつて日本のモーターサイクル産業を牽引した「目黒製作所」の工場があり、メグロが産声を上げたルーツとも言える聖地なのだ。

山あげ会館に併設された「メグロミュージアム」の館内へ一歩足を踏み入れると、空気の色がスッと変わったような気がした。

そこには、モノクロ写真の中でしか見たことのないような往年の名車たちが、当時の輝きを失わずにズラリと並んでいる。

堂々たる風格を放つ「メグロK」や、現在のモデルへと繋がる系譜を感じさせる「カワサキ 500 メグロ K2」。深い黒の塗装と、職人の手作業を感じさせる七宝焼きのエンブレム。

これらが現役だったころ、製造を担当した職人たちの姿を、写真をもとに想像して思わず息を飲む。

画像1: 聖地・那須烏山、名もなき情熱に出会う

一番の見どころは、入ってすぐ右手側にある「メグロZ型」。

1949年製の本モデルが那須烏山市に寄贈されたことから物語ははじまり、「当時と変わらぬ姿で、その音・その走りを復刻させる」というテーマのもと本モデルを復刻するプロジェクトがスタートした。

画像2: 聖地・那須烏山、名もなき情熱に出会う

様々な困難を乗り越え、約3年の月日を経た2025年11月、ついにプロジェクトが完遂。お披露目の際には実際にエンジンがかけられ、その轟音がこの烏山の空に響き渡ったという。

近くに寄ると、古いオイルと鉄が入り混じったような、歴史の匂いが微かに漂ってくる。

隣を歩く先輩は、展示された無骨なエンジンの造形を、まるで美術館で名画を鑑賞するように食い入るように見つめていた。

その静かな視線の先にあるのは、ただの古い機械じゃない。戦後日本の道を駆け抜けた、名もなき技術者たちの熱を帯びた情熱だ。

「素敵だなぁ」

先輩の言葉に、私も頷く。

画像3: 聖地・那須烏山、名もなき情熱に出会う

メグロからカワサキへ、そしてWシリーズ、さらには現代のMEGURO K3へ。

私たちが今日乗ってきたバイクは、決してぽつんと独立して存在する工業製品ではない。数十年の時を超え、脈々と受け継がれてきた「歴史のバトン」そのものだ。

その重みとロマンを、今、自分が所有し、風を切って走らせている──胸の奥でじんわりと温かいものが広がっていった。

締めはMEGUROが並ぶカフェ

歴史の深い余韻に浸ったあとは、地元のライダーたちも憩う「BATOWL Cafe(バトールカフェ)」のドアを開けた。

一歩足を踏み入れると、ミュージアムの重厚な空気とはまた違う、スッと肩の力が抜けるような居心地の良さが待っていた。

平日だったためか、店内には私たちだけ。見渡すと、あたたかみのあるレンガ調の壁を背にして、磨き上げられた何台ものMEGUROが展示されている。

画像: 締めはMEGUROが並ぶカフェ

壁にはヴィンテージものの白いユニフォームやTシャツが飾られていて、まるで映画に出てくる秘密のガレージのようだ。

ミュージアムで「歴史のバトン」を真正面から受け止めてきたばかりだけれど、ここにあるのはもっと軽やかで、純粋なワクワク感。

案内された木目のテーブル席に腰を下ろし、早速おすすめのメニューを注文。意外にも先輩が頼んだのは、ブラックコーヒーではなく、甘いバニラアイスがのったコーヒーフロートだった。

画像: 先輩が飲んだコーヒーフロート(税込600円)と、私のメロン味のソーダフロート「KAWASAKI」(税込600円)。

先輩が飲んだコーヒーフロート(税込600円)と、私のメロン味のソーダフロート「KAWASAKI」(税込600円)。

約10時間ぶりの食事を頬張りながら、窓の向こうに停めた自分たちの愛車と、店内の美しいバイクたちを交互に見やる。

多くを語らなくても、ただ同じ風を感じ、美味しいものを共有し、大好きなバイクの空間に身を置く。それだけで、今日のツーリングがどれほど素晴らしいものだったかが静かに満ちていくのを感じていた。

帰路

あちこちの観光地を慌ただしく巡るのではなく、夕暮れの渋滞が始まる前にあえて早めに帰路につく。

西日に照らされた帰り道。スロットルをひねると、朝よりも少しだけ角が取れて優しく感じられるエンジンの鼓動が、心地よく響き渡った。

画像: 帰路

アスファルトに長く伸びる、2台の影。 歴史の息吹を感じる街へ、特別な1台とともに向かう旅。

次にこの愛車のキーを回すのは、どんな風の吹く日だろう。ヘルメットの中で、私はもう次の週末の空模様を思い浮かべていた。

文:大冨 涼/写真:長谷川徹/まとめ:Kawasaki Good Times Journal編集部

よくある質問

Q. メグロミュージアムはどこにありますか?
A.メグロミュージアムは栃木県那須烏山市の「山あげ会館」に併設されています。歴代メグロ車や貴重な資料が展示されており、メグロブランドの歴史に触れることができます。

Q. MEGURO K3とW800の違いは?
A.MEGURO K3とW800は基本構成を共有していますが、MEGURO K3は歴史あるメグロブランドを受け継ぐモデルとして、専用エンブレムや専用カラー、専用装備を採用しています。

Q. なぜ那須烏山は「メグロの聖地」と呼ばれているのですか?
A. 那須烏山市にはかつて目黒製作所の工場があり、メグロブランドゆかりの地として知られています。現在もメグロミュージアムが設置されており、その歴史や技術を学ぶことができます。

那須烏山とメグロの歴史

今回訪れた那須烏山では、1949年製「メグロZ型」を当時と変わらぬ姿で蘇らせるレストアプロジェクトも実施されました。メグロミュージアムで目にした歴史のバトンが、どのように現代へ受け継がれたのか。その舞台裏はこちらからご覧ください。

MEGURO K3について詳しく知る

W800について詳しく知る

This article is a sponsored article by
''.