全日本モトクロス選手権シリーズ2026は、いよいよシーズン後半戦の幕開けを告げる重要な一戦を迎えました。第6戦の舞台は、多くのライダーやファンが毎年楽しみにしている北の大地、北海道です。広大な自然に囲まれたこの地で、熱い戦いが再び繰り広げられます。

北海道大会の舞台は新千歳モーターランド

国内最高峰のIA1クラスにおいて、Team Kawasaki R&Dから参戦する内田篤基選手は、気合い十分でこの北海道大会へと乗り込みました。この北海道大会は内田選手とチームにとって、絶対に負けられない極めて重要なターニングポイントとなります。

第6戦の激闘の舞台となる新千歳モーターランドは、全日本モトクロス選手権が開催されるトラックのなかでも、最も特異で、かつ最も過酷なコースの一つとして知られています。本州の多くのコースが硬く締まったハードパックをベースにしているのに対し、ここはコース全体が深い火山灰を含んだ、ふかふかのサンド路面で構成されているのが最大の特徴です。

サンド路面は、見た目の美しさとは裏腹に、ライダーとマシンに負荷を強います。タイヤが砂に深く埋もれるため、走行が重なるにつれて周回ごとに路面形状が激しく変化します。深く、そして底が見えないほどに変形する轍や、予測不能な位置に現れる無数の深いギャップは、ライン選択を極めて困難にします。

画像: ▲雨を含んだソフトなサンド路面での戦いとなった今大会。

▲雨を含んだソフトなサンド路面での戦いとなった今大会。

このタフな路面を攻略するためには、KX450SRが持つ低中速トルクをロスなく推進力に変えるセットアップと、強烈なGに耐えながらマシンをホールドし続けるライダーのスタミナ、そしてバランス感覚が必要不可欠です。北の大地ならではの涼気を含んだ風が吹くとはいえ、ライダーにとってはシーズン中で最も体力を削られるサバイバルレースの舞台と言えるでしょう。

マディコンディションのなか、総合3位を獲得

レースウィークは金曜日から生憎の雨に見舞われ、マディコンディションのなか行われた今大会。午前に行われたヒート1では、内田選手がスタートで4番手につけると、オープニングラップで浅井亮太選手(bLU cRU YSP浜松BOSS RACING)を抜き3番手に浮上します。

しかし、開始10分を経過したあたりで轍にタイヤを取られてしまい転倒。すぐにレースに復帰するも、2つポジションを落とし5番手に後退してしまいました。

その後は集中力を切らすことなく走り切った内田選手は5位でチェッカーを受け26ポイントを獲得。予選では総合2位、レースでもペースが良かっただけに悔しい結果となりました。

画像: ▲スタートでイン側からポジションを上げる内田選手。

▲スタートでイン側からポジションを上げる内田選手。

午後に行われたヒート2でも厳しい出だしとなります。得意のスタート奪取を見せホールショットを奪うも、ジェイ・ウィルソン選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)とのトップ争いの際に、コーナーにオーバースピードで突っ込んでしまいリアが流れ転倒。レースに復帰するも10番手に後退となってしまいました。

ポジションを大きく落としてしまった内田選手でしたが、周回を重ねるにつれ徐々にポジションを回復。中盤から終盤にかけて4番手につけると、前を走る浅井選手を捕らえ3番手に浮上しました。

内田選手はそのまま走り切り3位でチェッカーを受け、7台を抜き表彰台を獲得。しかし、速さがあり優勝も狙えていたため、非常に悔しい結果となりました。

シーズンを通して速さは見せているだけに表彰台の中央に立てる日は近いはず。残り2戦、内田選手の活躍に期待しましょう!

画像: ▲ヒート2では転倒がありながらも、見事な追い上げで3位表彰台を獲得。

▲ヒート2では転倒がありながらも、見事な追い上げで3位表彰台を獲得。

シリーズの行方を占う第7戦の舞台は名阪スポーツランド

北海道での過酷なサンドバトルを戦い終えたチームが次に見据えるのは、シーズン終盤に向けてさらに熱狂が加速する近畿ラウンドです。次戦「D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2026 第7戦 MRAカップ」は、奈良県山添村に位置する名門「名阪スポーツランド」にて開催されます。

次戦の舞台となる名阪スポーツランドのモトクロスコースは、さらさらとしたサンド質の路面と、激しいアップダウンが融合した、極めて高い難易度を誇るトラックです。

北海道と同じサンド質の要素を持ちながらも、山の起伏をダイナミックに活かした立体的なレイアウトが組み合わさることで、全く異なるアプローチが求められます。最大の特徴は、ストレートが非常に少なく、常にマシンを左右に傾けながらタイトコーナーや連続するジャンプをクリアしていかなければならないテクニカルな構造にあります。

画像: ▲今季はあと2戦。悲願の優勝へチャレンジは続きます。

▲今季はあと2戦。悲願の優勝へチャレンジは続きます。

砂混じりの路面は深い轍を作りやすく、一瞬の油断が大きなタイムロスや転倒に繋がるため、体力だけでなく1本のラインを正確にトレースする繊細なマシンコントロールが不可欠です。

コースのハイライトは、山の地形を一気に駆け上がる名物の急坂「ダンロップヒルズ」。ハイスピードかつダイナミックなこのセクションでは、KX450SRのパワーと登坂性能が大きなアドバンテージとなるはずです。

また、名阪スポーツランドは小高い丘の上などからコース全体を見渡せる非常に広い観戦エリアを持っており、ファンの皆様の熱い視線がダイレクトにピットやコースへと届く「観戦性の高さ」も大きな魅力です。特に名物の観客席から見上げる、ライダーたちが大迫力で駆け上がってくるシーンは、モトクロスの醍醐味そのものです。

この名阪のテクニカルなコースにどうアジャストさせていくか。内田篤基選手とTeam Kawasaki R&Dの挑戦は、いよいよクライマックスへと向かっていきます。

全国のカワサキファンの皆様、チャンピオンシップの頂点を目指して走り続ける内田選手とチームへ、次戦の名阪スポーツランドでも変わらぬ熱い、ライムグリーンのご声援をよろしくお願いいたします!

文:河村大志/写真:Kawasaki/まとめ:Kawasaki Good Times Journal 編集部

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