戦いの舞台は、日本モータースポーツの聖地であり、世界的にも難コースとして知られる三重県・鈴鹿サーキットです。立体交差を挟む8の字レイアウトと、テクニカルなコーナーが連続するこのトラックは、ライダーの技量とマシンの総合力が試されます。週末前半のドライコンディションでは上位争いを演じたチームでしたが、予選以降は大雨によって状況が一変。大きく変化したコンディションのなかで、ライダーとチームは最後まで粘り強い戦いを見せました。
岩戸選手・彌榮選手のコンビで挑む3年目のシーズン

西嶋修監督のもと今シーズンも戦い抜いた「Kawasaki Plaza Racing Team」。
市販車ベースの最高峰、ST1000クラスに参戦する「Kawasaki Plaza Racing Team」は、全国のカワサキプラザネットワーク、そして熱きカワサキファンの声援を背に、今季最後のレースウィークへと乗り込みました。
ドライコンディションでの圧倒的なスピード、そして週末後半の荒天という劇的な変化のなかで、ライダーとチームは困難に立ち向かいました。
ST1000クラスにおいてNinja ZX-10Rを駆るKawasaki Plaza Racing Teamは、西嶋修監督の采配のもと、2022年のチーム発足以来、全日本ロードレース選手権に挑戦を続けています。現在の岩戸亮介選手と彌榮郡選手のコンビは3年目を迎え、さらなる飛躍を目指して戦ってきました。
ドライ路面で見せたポテンシャル
レースウィーク前半となる10月22日(木)と23日(金)は、秋晴れのドライコンディションに恵まれました。ここでKawasaki Plaza Racing Teamの2台は、セッションを重ねるごとにタイムアップを見せました。
木曜日の特別スポーツ走行1回目、岩戸選手は2分09秒306で8位、彌榮選手は2分10秒100で14位からスタート。続く2回目では、岩戸選手が2分08秒130(4位)、彌榮選手も2分09秒278(13位)と着実にタイムを削り落とします。

フィードバックを行う岩戸選手。
金曜日のART合同走行ではさらにタイムを詰めることに成功します。有料走行枠で岩戸選手が2分07秒665(6位)、彌榮選手が2分08秒081(10位)とトップ10圏内に食い込むと、午後の走行では、岩戸選手が2分07秒217を叩き出し、3位に浮上。トップとの差を0.868秒まで肉薄させる走りを見せました。
彌榮選手も2分08秒412(14位)とコンスタントにペースを刻み、ドライコンディションで良いペースを発揮しました。
公式予選は一転してのヘビーウェット
しかし、決勝に向けたグリッドを決める10月24日(土)の公式予選では、鈴鹿サーキット上空の天候が一変。コースは深い水しぶきが上がるほどのヘビーウェットコンディションとなり、前日までのドライセットアップが通用しない状態での戦いを強いられました。

大雨に見舞われた鈴鹿サーキット。ミスの許されない状況のなか、集中力を高めていく彌榮選手。
約15秒以上もラップタイムが落ちる過酷な路面状況のなか、両選手はスリッピーな路面と格闘しながらタイムアタックを敢行。しかし、ウェットコンディションにおけるグリップ確保とセットアップに苦戦を強いられ、岩戸選手は2分22秒425で15位、彌榮選手は2分23秒140で16位という結果に。前日までの好調から一転、決勝レースは中団後方の厳しい位置から追い上げを狙う展開となりました。
難しいコンディションのなか意地の追い上げを見せる
迎えた10月25日(日)の最終日。朝のウォームアップ走行も引き続きウェットコンディションとなり、岩戸選手が17位、彌榮選手が19位と、トップから大きくタイムを離される苦しい状況が続きます。

難しいレースとなった決勝レースでポジションをあげていく岩戸選手。
そして迎えた決勝レース。雨の影響により10周の短期決戦(周回数短縮による減算レース)となった激しいサバイバルが幕を開けました。15番手、16番手という後方グリッドからスタートした両選手ですが、スタート直後の水しぶきで視界が遮られる極限状態の中でも、集中力を切らしません。
朝のウォームアップでの苦戦が嘘のように、決勝では両名ともに安定したペースで前走者を次々とパス。予選時とほぼ同等の2分23秒〜24秒台という安定したペースを維持し、着実にポジションを押し上げていきました。一度のミスが転倒に繋がる危険な路面状況のなか、岩戸選手と彌榮選手は周回を重ねます。

岩戸選手にくらいつき粘りの走りを見せる彌榮選手。
結果、10周の激闘を無転倒で走り抜き、岩戸選手が11位、彌榮選手が12位へと揃って順位を上げてチェッカーフラッグを受けました。後方からのスタートという逆境を跳ね返し、4〜5ポジションを挽回して手堅くポイント圏内でフィニッシュを果たしています。
来季へのさらなる飛躍を誓う
木曜・金曜のドライコンディションではトップ3に食い込む速さを見せつけ、土日のウェットコンディションでは苦難に直面しながらも、決勝できっちりと巻き返して強さを見せた鈴鹿の最終戦。この週末は、Kawasaki Plaza Racing TeamとNinja ZX-10Rが持つポテンシャルの高さと、いかなる環境変化にも対応しようとするチームの底力を改めて証明するレースとなりました。

ファンとの談笑を楽しむ岩戸選手。応援がいちばんの力になりますね!
今季は苦戦が続きましたが、全国のサーキットでプラザオーナーの皆様やカワサキファンの皆様から送られた熱い声援が、ライダーたちにとって最大の推進力となりました。ドライで見せたスピード、そして雨の中で見せた決して折れない心。この最終戦で得た確かな収穫と悔しさを糧に、Kawasaki Plaza Racing Teamは来シーズン、さらなる高みを目指して進化を続けていきます。

今年もライムグリーンのグッズを身につけたファンの皆さんがたくさんサーキットに足を運んでくれました!
2026年シーズンを通した多大なるご支援、ご声援、本当にありがとうございました。来季も引き続き、サーキットをライムグリーンに染め上げる熱い応援をよろしくお願いいたします!
文:河村大志/写真:Kawasaki/まとめ:Kawasaki Good Times Journal 編集部






