舞台はテクニカルな関東の人気サーキット「オフロードヴィレッジ」
今大会の舞台であるオフロードヴィレッジは、関東圏からのアクセスも良く、例年多くのモトクロスファンが詰めかける人気のサーキットです。コースの大部分はフラットなレイアウトですが、大小のジャンプが連続して配置されており、リズミカルな攻略が求められるテクニカルな一面を持っています。
スーパークロス的な要素も含むこのコースでは、空中でのマシンコントロールや、ジャンプの着地から次のコーナーへといかにつなぐかがタイムを大きく左右します。

さらに今大会のIA1クラスは、時間ではなく周回数で区切る「10周×3ヒート制」という、超スプリントの特別フォーマットが採用されました。一瞬の隙やわずかなミスが順位に直結する息の抜けない展開のなか、内田選手と愛機KX450SRがどのような戦いを見せたのでしょうか。
冷静な追い上げでヒート1を5位フィニッシュ
10月11日、多くの観客がコースサイドを埋め尽くすなか、いよいよ決勝レースが幕を開けました。
午前中に行われたヒート1。スタートゲートが一斉に倒れ、IA1クラスの猛者たちが第1コーナーへ向けて猛ダッシュを見せます。内田選手はスタート直後の混戦のなかで少し行き場を失い、1周目を中団のポジションで通過する苦しい立ち上がりとなりました。

わずか10周という短いレースでは、序盤の出遅れを取り戻すのは至難の業です。しかし、内田選手は決して焦ることなく、冷静に前方の状況を見極めながら追い上げを開始します。カワサキ・KX450SRの力強い加速力を武器に、ストレートエンドのブレーキングでライバルたちのインに飛び込み、着実に順位を上げていきます。
レース中盤には6番手まで浮上し、前を走るライダーの背後にピタリとつけました。タイトなコーナーが続くセクションで一瞬の隙を突き、鮮やかなパスを決めて5番手に浮上。その後も前を猛追するなかでチェッカーフラッグが振られ、出遅れを見事にカバーする走りで5位を獲得しました。
ヒート2はトップ争いに肉薄し4位

午後に行われたヒート2。気温も上がり、路面状況が刻一刻と変化するなかでスタートが切られました。
内田選手はヒート1の反省を活かし、素晴らしいクラッチミートで第1コーナーへ飛び込みます。1周目を上位陣に食い込む好位置で通過し、序盤からトップグループでの激しいバトルを展開しました。
ヒート2では、オフロードヴィレッジ特有の連続ジャンプを極限まで低く飛ぶ「スクラブ」を多用し、空中でのタイムロスを最小限に抑える内田選手のテクニックが光りました。一時は3番手を走るライダーのリアフェンダーに触れんばかりの距離まで接近し、激しいドッグファイトを繰り広げます。
観客席から大きなどよめきと声援が上がるなか、内田選手はコーナーごとに異なるラインを試し、勝負を仕掛けるタイミングを虎視眈々と狙い続けました。
しかし、相手もラインを塞ぐ巧みなブロックラインで応戦。最後まで手に汗握る攻防戦が続きましたが、わずか一歩及ばず、惜しくも4位でフィニッシュとなりました。表彰台こそ逃したものの、トップグループと互角に渡り合う気迫の走りに、会場からは大きな拍手が送られました。
疲労が蓄積する最終ヒートでも底力を発揮
そして迎えた最終レース、ヒート3。日差しが西に傾き始めるなか、ライダーたちの体力も限界に近づいています。3ヒート制の最も過酷な時間帯ですが、内田選手の集中力は途切れていませんでした。
スタート直後、好スタートを切った内田選手は、1周目を再び上位陣でクリアします。しかし、疲労と荒れた路面の影響からか、レース中盤にかけてトップ3台が少しずつペースを上げ、内田選手は単独の4番手走行となりました。

後方からもライバルがひたひたと迫ってくるプレッシャーのなか、内田選手はKX450SRの安定したサスペンション性能を頼りに、ミスなくアベレージラップを刻み続けます。
ジャンプの踏み切りや着地で細かな轍ができ始めている危険な路面状況でも、決してペースを落とすことなく走り抜き、見事にポジションを守り切って連続の4位フィニッシュを果たしました。
各クラスで輝きを放ったカワサキライダーたち
今大会では、ファクトリーチームの「Team Kawasaki R&D」だけでなく、カワサキのマシンを駆るサテライトチームやプライベートチームのライダーたちも素晴らしい活躍を見せ、会場を大いに沸かせました。
IA1クラスでは、「カワサキプラザ鳥栖&グリーンシャドウ」から参戦した横山遥希選手が躍動。過酷な3ヒート制のすべてで見事に表彰台に登るという快挙を達成し、抜群のスピードと安定感でカワサキの存在感を大きくアピールしました。

カワサキプラザ鳥栖&グリーンシャドウ 横山遥希選手

カワサキプラザ鳥栖&グリーンシャドウ 横山遥希選手
また、若手や実力派がひしめく激戦のIA2クラスでもカワサキ勢が大奮闘を見せました。「Kawasaki Plaza 盛岡 TKM motor sports」の横澤拓夢選手は、ヒート1で2位、ヒート2で優勝、ヒート3で3位と、すべてのヒートで表彰台に登る圧巻の走りを披露し、見事に総合2位を獲得。

Kawasaki Plaza 盛岡 TKM motor sports 横澤拓夢選手

Kawasaki Plaza 盛岡 TKM motor sports 横澤拓夢選手
さらに「Kawasaki Plaza 東大阪」の鴨田翔選手は、ヒート1とヒート2こそ11位と苦しんだものの、最後のヒート3で意地の激走を見せ、見事に2位を獲得しました。スプリントレースのなかで、それぞれが底力を発揮。果敢な攻めの走りが光りました。

Kawasaki Plaza 東大阪 鴨田翔選手

Kawasaki Plaza 東大阪 鴨田翔選手
いよいよ最終戦へ!集大成の走りに期待!

第8戦TOKIO INKARAMI Super Motocrossを、ヒート1で5位、ヒート2で4位、ヒート3で4位という安定した好成績で終えた内田選手。
結果として表彰台にはあと一歩届かなかったものの、3つのヒートすべてでトップ5に食い込む安定感と、最後まで諦めずにプッシュし続けるタフなメンタルを見せつけました。激戦の連続となったこの関東大会で、彼の走りは多くのファンを魅了しました。
2026年シーズンの全日本モトクロス選手権も、残すところあと1戦。次戦はいよいよ、シリーズのフィナーレを飾る最終戦「第64回 MFJ-GP モトクロス大会」です。1年間の集大成となる大一番で、内田篤基選手と「Team Kawasaki R&D」が最高の結果を残してくれることを期待しましょう。
引き続き、ゼッケン97番・内田篤基選手への熱いご声援をよろしくお願いいたします!
文:河村大志/写真:Kawasaki/まとめ:Kawasaki Good Times Journal編集部





