MEGURO K3は、773cc空冷並列2気筒エンジンを搭載するクラシックロードスターです。高速道路やワインディングを中心に試乗したところ、性能の高さを競う現代的なモデルとは異なる、ゆったりと景色や鼓動感を楽しめる独特の魅力がありました。本記事ではMEGURO K3ならではの乗り味を詳しく紹介します。

大人のツーリングを満たすノスタルジックな相棒

画像: Kawasaki MEGURO K3 2027年モデル 総排気量:773㎤ エンジン形式:空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:790mm 車両重量:227kg 税込価格:141万9,000円(2027年モデル)

Kawasaki
MEGURO K3
2027年モデル

総排気量:773㎤
エンジン形式:空冷4ストロークSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:790mm
車両重量:227kg

税込価格:141万9,000円(2027年モデル)

カワサキのクラシックモデル、「MEGURO K3」。ダブルクレードルフレームに正立サスペンション×ツインショックというクラシカルな車体構成で、電子制御システム等も搭載しない、近年では珍しいバイクです。

モダンなバイクに乗り慣れたライダーの中には、「“見た目だけ”の退屈なバイクだ」というイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、MEGURO K3の真の魅力は、近年の進化し続けるバイクとは全く別のベクトルに存在しているのです。

画像: 大人のツーリングを満たすノスタルジックな相棒

伝統的なバーチカルツインと、長い間変わらずに守られてきたフレームをはじめとした基本コンポーネントは、「運動性能」という二次的な要素の前に「バイクの楽しさとは何か」を改めて教えてくれます。

排気量773㎤の並列2気筒エンジンは、1,000回転台から必要十分なトルクで車体を押し出し、3,000回転程度で苦も無く市街地の車の流れをリードできる性能を持っています。

ですから街乗りが快適なのはもちろんですが、高速道路などを利用し郊外へ出かけてこそ、真の喜びを感じさせてくれます。

高速道路で感じた魅力

画像1: 高速道路で感じた魅力

一般道よりも高い速度域になると、やはり気になるのは振動です。正直なところ、4,000回転から5,000回転の間での振動が少し強いような気がしました。

120km/h制限の高速道路を5速で制限速度いっぱいで走ると、回転数がだいたい4,500回転弱くらいになるので、小排気量モデルや4気筒モデルのスムーズな回転フィールに慣れている人だと、振動をやや強く感じかもしれません。

追い越し車線を走る時などは、あえて4速に落として回転数を上げる、もしくは速度を100km/hまで落として回転数を下げるなどすると振動は和らぎました。

画像2: 高速道路で感じた魅力

最高出力は38kW(52PS)/6,500rpmと控えめとはいえ、MEGURO K3は立派な大型バイク。パワーとしては高速道路の速い流れの中でもストレスなく余裕を持って巡航することができました。

ただし、上半身が起きている上、風を遮る装備はありませんから、長時間高いスピードを維持して走る場合は疲れを感じやすいでしょう。クラシカルな大きめのウインドスクリーンなどを装備すると、見た目、快適度ともにもっと満足できるものになるかも、と感じました。

ワインディングでの走行フィール

画像1: ワインディングでの走行フィール

ワインディングに入ると、走りの魅力が強く感じられるようになります。

高回転まで回して、スポーティにワインディングを駆け抜けるような走り方は、このバイクのキャラクターにはマッチしていません。足まわりは柔らかな印象ですが、しっかりと地面を掴んで、多少突っ込んだ走りをしても不安なく走ることができます。

多少路面に凹凸がある道をペースよく走っても、リヤのツインショックがギャップをしなやかに吸収してくれるため、モノショックほどのストローク量がなくとも、乗り心地に不快さはありませんでした。

画像2: ワインディングでの走行フィール

大きく手前に引かれたハンドルと、フロント19インチ・リヤ18インチのタイヤを採用したMEGURO K3のハンドリングはとてもおおらかで、現代のバイクの様に自分から向きを変えていくようなクイックさが薄いからこそ、能動的に操る楽しさを味わうことができます。

3,000回転程度で、優しくも力強い鼓動を感じながら、流れていく日常とは隔絶された風景や、都会とは違った空気を楽しむ──MEGURO K3はそんな大人の“洒落た”楽しみ方が似合うでしょう。

所有する喜びを感じる質感

画像1: 所有する喜びを感じる質感

多くのライダーがバイクに乗って最初に感じた感動は、自転車にはない圧倒的な力強さやスピード感、クルマにはない風を切って走る爽快感でしょう。

スポーティな味付けや、高度な電子装備も持たないMEGURO K3だからこそ、メカ的な操作に惑わされることなく、バイクに乗ることの原点ともいえる高揚感に触れることができます。

画像2: 所有する喜びを感じる質感

確かに車両重量227kgの車体は、お世辞にも取り回しがラクとは言えません。

それでも、職人技の光る銀鏡塗装、立体エンブレムは、見ているだけで惚れ惚れしますし、MEGUROたる出で立ちは所有欲を満たしてくれます。

画像3: 所有する喜びを感じる質感

試乗日は、日が昇る前に出発し、日の入りとともに帰路につくというスケジュールでした。

高速道路を走っている時に流し見た朝焼け、気張らずに流すワインディング、青空が反射するタンク…そのどれもが「ツーリングの楽しさ」を実感させてくれ、ライダーを「また走りに来たい」といった気持ちにさせてくれるのです。

スピードや性能にとらわれず、自分の好きなバイクで、自分の思い描いた旅をする。

そんなノスタルジックなツーリングがしたいライダーにとって、この美しく艶やかに煌めくMEGURO K3は、唯一無二の魅力を持つ相棒になるでしょう。

文:石神邦比古/写真:長谷川 徹/まとめ:Kawasaki Good Times Journal 編集部

MEGURO K3に関するよくある質問

Q1:「W800」とは何が違うのですか?
A:基本的なスペックや構造はW800と共通ですが、外装が特別仕様です。自己修復コートが施された銀鏡塗装のタンク、職人手作業の七宝焼き風エンブレム、専用シートやメーターなど、名門「メグロ」にふさわしい高級感あふれる仕上がりになっています。

Q2:大型バイク初心者や、体力に自信がなくても扱いきれますか?
A:車重が227kgあるため取り回しには少し慣れが必要ですが、シート高790mmで足つきが良く、走り出すと非常に穏やかです。低回転から力強いトルクが出て急なパワー変化もないため、大型バイクに乗り慣れていない方でも安心してツーリングを楽しめます。

Q3:特徴的なタンク(銀鏡塗装)のお手入れで気をつけることは?
A:タンク表面には細かな傷を自己修復する特殊コーティングが施されているため、柔らかい布と中性洗剤を使った通常の洗車で美しさを保てます。ただし、コーティングを削り落としてしまうコンパウンド(研磨剤)入りのケミカルやワックスは使用厳禁です。

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動画でMEGURO K3を見る

画像: ※動画内の車両は2021年モデルです youtu.be

※動画内の車両は2021年モデルです

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