梅雨の晴れ間から照りつける強い日差しが本格的な夏の到来を予感させる6月末。全日本モトクロス選手権シリーズ2026は、シーズン中盤の大きな山場となる第5戦を迎えました。今大会は舞台を西日本へと移し、広島県の「世羅グリーンパーク弘楽園」にて、熱気あふれるレースの幕が切って落とされます。

ダイナミックで高難度な世羅グリーンパーク弘楽園

国内最高峰のIA1クラスにおいて、カワサキのファクトリーチーム「Team Kawasaki R&D」から参戦する内田篤基選手は、最新鋭のファクトリースペックマシン「KX450SR」とともに、ファンが待つ広島へと乗り込みました。

画像1: ダイナミックで高難度な世羅グリーンパーク弘楽園

今シーズン、長年の努力が実を結び念願のファクトリーライダーとしての切符を掴んだ内田選手は、開幕戦から持ち前の粘り強さとアグレッシブな走りを融合させ、毎戦、確かな存在感をアピールし続けています。

前戦の第4戦SUGO大会では、荒れ果てた過酷な路面状況と予想外のタフな展開に苦しめられながらも、ベテランらしい適応力と不屈の闘志でポイントをもぎ取り、総合7位という成績でまとめ上げました。

表彰台にこそ届かなかったものの、どのようなコンディションでも諦めずにチェッカーフラッグを目指すその姿勢は、Team Kawasaki R&Dの「絶対に負けない」という強いスピリットを体現するものでした。蓄積された疲労もピークに達し始めるシーズン中盤戦ですが、内田選手の眼差しはすでに前を、そして表彰台のさらに高い場所だけを見据えています。

画像2: ダイナミックで高難度な世羅グリーンパーク弘楽園

第5戦の舞台となる「世羅グリーンパーク弘楽園」は、緑豊かな広島県世羅郡の丘陵地帯に広がる、全日本屈指のハイスピード&ダイナミックなコースです。広大な敷地を贅沢に使ったこのトラックは、前戦のSUGOのようなどこまでも続く深い轍や極端なアップダウンとは異なり、スロットルを全開にして駆け抜ける爽快感と、度胸が試される巨大なジャンプセクションが最大の特徴です。

特に観客の視線を釘付けにするのが、コースのハイライトでもある名物「ラムソンジャンプ」です。空高く舞い上がるようなビッグジャンプでは、マシンの絶対的なパワーと、空中での完璧な姿勢制御が求められます。硬く締まったハードパックな路面をベースにしつつも、散水や走行によって刻々と変化するスリッピーなコーナーが多く、KX450SRの加速力をいかにロスなく路面に伝えるかが勝敗を分ける鍵となります。

画像3: ダイナミックで高難度な世羅グリーンパーク弘楽園

また、この時期の広島は非常に気温と湿度が高くなることが多く、強烈な暑さのなかでのレースとなることが予想されます。エンジンへの負担はもちろんのこと、ライダーのフィジカルとメンタルを極限まで削る過酷な環境。チームの総合力が試される、まさに「総力戦」の舞台と言えるでしょう。

ヒート2では表彰台を獲得し総合4位

公式予選で2番手、公式練習でも3番手につけるなど順調な仕上がりを見せた内田選手。決勝日の午前中に行われたヒート1ではスタートで5番手につけ、同じカワサキ陣営で好調な西條悠人選手(Kawasaki PURE TECH Racing)と4番手争いを繰り広げます。

画像1: ヒート2では表彰台を獲得し総合4位

徐々に西條選手との差が広がってしまい単独走行となった内田選手ですが、その後は集中力を切らすことなく5位でチェッカーを受けました。

午後のヒート2は、曇り空のなか行われたヒート1と打って変わって、照り付ける日差しのもとで行われました。カワサキのワークスライダーとしてさらなる高みを目指す内田選手は、ヒート2で魅せます。

スタートを決めた内田選手は4番手につけ、序盤は5番手の大塚豪太選手(T.E.SPORT)と抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げます。

画像2: ヒート2では表彰台を獲得し総合4位

大塚選手の猛攻を振り切った内田選手は、ランキング3位で3番手走行の大城魁之輔選手(YAMAHA FACTORY RACING)に接近。スピードに定評のある大城選手にしっかりついていった内田選手は、レースの折り返し時点を過ぎたタイミングで大城選手をオーバーテイクし3番手に浮上しました。

3番手に上がった内田選手は後続との差を広げにかかり、順位をキープし続けそのまま3位でフィニッシュ。ヒート2で優勝したジェイ・ウィルソン選手(YAMAHA FACTORY RACING)に次ぐベストラップを記録、終盤にはトップ2に迫るなど、結果のみならずレース展開も良く、内容の濃いレースとなりました。

次戦の舞台は新千歳モーターランド

画像1: 次戦の舞台は新千歳モーターランド

灼熱の世羅グリーンパーク弘楽園での熱く激しい戦いを終えると、全日本モトクロス選手権の舞台はいよいよ北の大地、北海道へ。次戦「D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2026 第6戦 北海道大会」は、新千歳モーターランドにて開催されます。

北海道大会の最大の特徴は、何と言ってもその特異な路面コンディションです。火山灰を含んだふかふかのサンドで覆われているものの、その下にはハードな土が隠れているチャレンジングなコース。タイヤが砂に深く埋もれるため強烈な走行抵抗が生まれ、マシンには常にフルパワーが要求されるとともに、エンジンへの負荷はシーズン中で最大クラスとなります。同時に、轍が周回ごとに深く形を変えるため、ライダーには卓越したマシンのホールド力と無尽蔵のスタミナが求められます。

画像2: 次戦の舞台は新千歳モーターランド

第2戦のHSR九州大会でもサンドコンディションを経験している内田選手ですが、新千歳のサンドはさらに深く重いと言われています。しかし、低中速トルクが魅力のKX450SRのポテンシャルと、Team Kawasaki R&Dのチーム力でこの難局も必ずや乗り越えてくれるはずです。

内田選手の力強いサンドライディングが、広大な北海道の地でどのように躍動するのか。シーズン終盤戦に向けての重要な試金石となる次戦も、決して目を離すことはできません。

全国のカワサキファンの皆様、タフな中盤戦を戦い抜く内田篤基選手へ、次戦・北海道大会も変わらぬ熱いご声援をお願いいたします!

文:河村大志/写真:Kawasaki/まとめ:Kawasaki Good Times Journal編集部

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