戦いの舞台は、埼玉県・オフロードヴィレッジ
今回の激闘の舞台となったのは、埼玉県川越市の荒川河川敷に位置する「オフロードヴィレッジ」です。首都圏からのアクセスが非常に良く、全日本モトクロス選手権の中でも屈指の観客動員数を誇るこのコースは、コーステープと観客席の距離が近く、450ccエンジンの咆哮と飛び散る土塊を間近で体感できるのが大きな魅力となっています。

コースの特性としては、フラットな地形の中にタイトなヘアピンコーナーと、計算し尽くされた連続ジャンプセクションが人工的に配置されており、非常にスーパークロスライクでテクニカルなレイアウトです。
前戦の「HSR九州」が広大なコース幅と火山灰の混ざる柔らかい砂質路面を用いた超高速レイアウトであったのに対し、オフロードヴィレッジは硬く締まったハードパック(硬質)な路面が最大の特徴です。そのため、ジャンプの正確な踏み切りや着地での精密なコントロール、そして滑りやすいコーナーの立ち上がりにおける瞬間的なトラクションと爆発的な加速力が極めて重要になります。
新型KX450SRの力強い低中速トルクと、アジリティに優れたハンドリング性能をいかにこのコンパクトなコースにアジャストさせるか。Team Kawasaki R&Dのメカニックたちの腕の見せ所でもあり、ライダーの総合力が試される非常に難易度の高い舞台と言えます。
着実なステップアップで表彰台を獲得!
IA1クラスは、15分+1周という超スプリント・フォーマットのレースを1日で3ヒート行うという、極めて過酷なスケジュールが採用されています。一瞬のスタートの遅れや些細なミスが命取りになるだけでなく、3レースをフルパワーで戦い抜く無尽蔵のスタミナと、一瞬たりとも途切れない高い集中力が求められます。
日曜日の朝に行われたタイムアタック予選では、内田選手はトップと僅差の3番手タイムをマーク。決勝での好成績を予感させました。

迎えたヒート1。内田選手は抜群の反応、そしてKX450SRの優れたローンチコントロール機能を完璧に使いこなし、ホールショットを奪います。
序盤は後続との差を広げる走りを披露した内田選手。しかし、後ろからは大倉由揮選手(Honda Dream Racing Bells)やジェイ・ウィルソン選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)、大城魁之輔選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)というトップライダーが迫ります。

残り7分を切ったタイミングで、ディフェンディングチャンピオンの大倉選手にピッタリとマークされるも、内田選手はミスを犯すことなく走行。すると、大倉選手がミスを犯し4番手に後退し、内田選手はトップの座を死守しました。
しかし、次に勝負を仕掛けてきたのはこちらもチャンピオン経験者のウィルソン選手。着実に内田選手との距離を詰めると一気に前に出てトップに立ちます。
さらに大城選手も内田選手を抜き2番手に浮上。内田選手は3番手に後退するも、強力なヤマハワークスの2台に喰らいつきました。序盤から終始トップ争いを演じた内田選手は3位でチェッカーを受け、開幕戦以来となる表彰台を獲得。カワサキファクトリーライダーとしての勝負強さと意地を見せつけました。
続くヒート2でも抜群のスタートを切った内田選手はトップでレースをリード。2番手につけたウィルソン選手のプレッシャーに臆することなくトップ争いを繰り広げます。

▲鋭いスタートダッシュを決め、イン側を抑えてトップに立った内田選手。
しかし、ウィルソン選手にパスされ2番手になった矢先、内田選手はジャンプの際にリアが流れてしまい痛恨の転倒を喫してしまいました。転倒で怪我の心配もあった内田選手でしたが、その後はレースに復帰し、粘りの走りで13位フィニッシュ。タフなレースとなりましたが、最後まで諦めない熱い走りを見せてくれました。
そして、この日最後のレースであり、会場のボルテージが最高潮に達したヒート3。スタートで4番手につけた内田選手は、トップ3の激しいバトルを静観しチャンスを伺います。
すると、大城選手が転倒を喫し、内田選手は3番手に浮上。2番手を走る池田凌選手(Bells Racing)とバトルを繰り広げます。そして池田選手を捕らえ2番手に浮上。今季最高位でのフィニッシュを目指しひた走ります。

▲常に上位でレースを展開し、ファクトリーライダーの意地を見せてくれました!
しかし、その背後に迫ったのがウィルソン選手。スタートで順位を落としたものの、驚異的な挽回で3番手に浮上したウィルソン選手が内田選手をパスし、2番手まで挽回しました。
ウィルソン選手に抜かれたものの、その後は3番手のポジションを守り切り、今大会2回目となる表彰台を獲得。悔しさもありつつも、着実な進歩を見せた大会となりました。
第4戦の舞台は、宮城県・スポーツランドSUGO
オフロードヴィレッジでの熱く、そしてタフな激闘を終え、次戦「D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ2026 第4戦 SUGO大会」は、6月6日〜7日にかけて宮城県のスポーツランドSUGOにて開催されます。
SUGO会場は、オフロードヴィレッジの平坦な地形とは全く異なり、自然の山の斜面を大胆に利用したダイナミックなアップダウンが特徴のコースです。名物の急勾配「大坂」や、ハイスピードで駆け下りるダウンヒルなど、マシンパワーの絶対値とライダーの度胸が試される、世界的にも評価の高いヨーロピアンスタイルのトラックとして知られています。

▲今大会は2度の3位表彰台を獲得。しかし、その目はさらに上を見据えていました。
今大会で2つの表彰台を獲得し、KX450SRとのマッチングがかつてないほど高まっている内田篤基選手とTeam Kawasaki R&D。次なるSUGOの舞台では、表彰台のさらに高い場所、すなわち「優勝」の二文字を明確なターゲットとして見据え、チーム一丸となってさらなる調整と挑戦を続けていきます。
カワサキファンの皆様、ぜひ次戦も会場やライブ配信から、ライムグリーンの熱い声援を内田篤基選手へ届けてください。皆様の応援が、Team Kawasaki R&Dの最大の原動力となります。引き続き、熱い応援をよろしくお願いいたします!
文:河村大志/写真:Kawasaki/まとめ:Kawasaki Good Times Journal編集部


