2025年のフルモデルチェンジで劇的な進化を遂げた「Z900」シリーズ。本記事では、上級グレードである「Z900 SE」(2026年モデル)で約1000km走り、リアルに体感した魅力を10の項目に分けてお伝えします。
画像: Kawasaki Z900 SE 2026年モデル 総排気量:948cc エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:810mm 車両重量:215kg 発売日:2025年7月15日 税込価格:166万1000円 ▶▶▶車両情報の詳細はこちら

Kawasaki
Z900 SE
2026年モデル

総排気量:948cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:810mm
車両重量:215kg

発売日:2025年7月15日
税込価格:166万1000円

▶▶▶車両情報の詳細はこちら

2025年の大幅刷新で、より鋭い「Sugomi」スタイルと先進機能を獲得したZ900シリーズ。その走りを豪華装備で磨き上げたZ900 SEは、スポーツネイキッドのベンチマークとしてすっかり定着しています。

今回はこのマシンの実力を再確認すべく、東京から宮城県牡鹿半島を目指す1泊2日のロングツーリングを敢行しました。さらに都内の街乗りも含めて約1000kmをじっくりと付き合ったからこそ見えてきた「真の魅力」を、10のポイントに絞って紐解きます。

実車が写真よりもかっこいい

画像1: 実車が写真よりもかっこいい

まず強調したいのは、「実車は写真の何倍もかっこいい」ということです。2025年の刷新でZ900シリーズのスタイリングは大きく進化しました。写真ではその鋭く攻撃的なラインやエッジの効いた部分に目が留まりがちですが、実車を前にすると、複雑な曲面が織りなす「立体の深み」に圧倒されます。

Z900 SEの2026年モデルで採用されている「メタリックマットグラフェンスチールグレー × メタリックマットカーボングレー」のカラーリングは、カワサキが提唱する「Sugomi」スタイリングをより一層引き立てています。

画像: ▲アクセントとして目を引くシュラウド。アルミニウム製でヘアライン加工が施されています。さりげなく「Z」のロゴがあしらわれているのもポイントです。

▲アクセントとして目を引くシュラウド。アルミニウム製でヘアライン加工が施されています。さりげなく「Z」のロゴがあしらわれているのもポイントです。

獲物を狙う猛獣のような低く構えた姿勢は、見る角度によってまったく違う表情を見せてくれます。燃料タンクからシュラウドにかけての筋肉質な隆起、そこからテールへと抜けるシャープなライン。これらが単なる平面の組み合わせではなく、有機的で艶めかしい造形としてまとまっているのです。

画像2: 実車が写真よりもかっこいい

また、マシン単体で美しいのはもちろんですが、「人が乗った姿」も抜群に決まります。ライダーが跨ることで、車体と人との一体感が生まれ、ひとつの塊として完成するようなバランスのよさがあります。ぜひ実車をその目で見て、周りをぐるりと歩きながら確認してほしいポイントです。

絶妙なライディングポジション

「スーパーネイキッド」「900」という響きから、ハードルが高い乗り物を想像する方もいるかもしれません。しかし、Z900 SEに跨った瞬間に感じるのは、意外なほどの親しみやすさです。

画像: 絶妙なライディングポジション

シート高は810mm。車体がスリムで足つき性は良好です。重心バランスが良いこともあり、215kgという車両重量を感じさせないほど取りまわしには安心感があります。

身長175cmの私が跨ると、ライディングポジションはほんの少しだけ前傾になります。これが本当に絶妙な塩梅なのです。決して窮屈で辛いわけではなく、かといって安楽すぎるわけでもない。「さあ、走るぞ」というスポーティな気分を自然と高めてくれる、ほどよい前傾姿勢です。

画像: ▲シートはクッション性もすこぶる良好だと感じました。ライダー側のシート表皮は座面と側面で異なる素材を採用しています。

▲シートはクッション性もすこぶる良好だと感じました。ライダー側のシート表皮は座面と側面で異なる素材を採用しています。

特筆すべきは着座位置の自由度の高さです。シートの前後幅に余裕があるため、座る位置をずらすことで姿勢を調整できます。街中では少し前に座ってアップライトに、峠道では後ろに座って積極的に構える、といった使い分けが自然に行なえます。

アルミニウム製ファットハンドルバーは全幅830mm。上体からグリップまでの距離感や、腕の広がり具合も自然で、肩肘張らずに操れる設定だと感じました。

長距離・長時間走行が得意

画像1: 長距離・長時間走行が得意

ネイキッドモデルで長距離ツーリング、とくに高速道路の移動は風圧との戦いになりがちです。しかし、今回のロングランは想像以上に快適なものでした。

その大きな理由のひとつが、2025年のモデルチェンジ以降、標準装備となっている「エレクトロニッククルーズコントロール」の存在です。左手元のボタンひとつで設定した速度を維持してくれるこの機能は、右手の疲れを劇的に軽減してくれます。もちろん「ETC2.0車載器」も標準装備なので、ゲート通過もスムーズ。ロングツーリングの強い味方です。

画像: ▲クルーズコントロールはスイッチボックス右側のボタンを使って操作。「+」「-」ボタンで1km/hごとの調整ができます。前回設定した速度を記憶するメモリー機能も備わっています。

▲クルーズコントロールはスイッチボックス右側のボタンを使って操作。「+」「-」ボタンで1km/hごとの調整ができます。前回設定した速度を記憶するメモリー機能も備わっています。

そして、車体の根幹を成す高張力鋼トレリスフレームの恩恵も見逃せません。エンジンを強度メンバーとして利用するこのフレームは、剛性と柔軟性のバランスが素晴らしく、高速域での直進安定性が非常に高いのです。

画像2: 長距離・長時間走行が得意

風を受け続けるネイキッドであっても、車体がビシッと安定しているため、余計な力が入らず、結果として疲れにくい。無理のないポジションと、排気量948ccの余裕あるパワーも相まって、淡々と距離を稼ぐことが苦になりません。

画像3: 長距離・長時間走行が得意

さらに驚かされたのは、一般道を時速40~60km程度で流したときの心地よさです。カチッとした車体としなやかな足まわりのおかげで、低中速域でだらりと走っているだけでも、タイヤが路面を捉える感触が豊かに伝わってきて、「走っていること自体が楽しい」と感じられました。

パワフルなエンジン

画像1: パワフルなエンジン

Z900 SEの心臓部は、総排気量948ccの水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジン。最高出力は91kW(124PS)/9500rpm、最大トルクは98N・m(10.0kgf・m)/7700rpmを発揮します。

このエンジンの魅力は、なんといっても「大型モーターサイクルに乗っている喜び」を直感的に味わえる点でしょう。スロットルをひねれば、どこからでも湧き上がるようなトルクと、高回転域へ向かって突き抜けるようなパワー感を得られます。4気筒ならではの滑らかさと爽快感が同居しており、右手の操作ひとつで空間が置き去りになるような加速力も発揮します。

画像2: パワフルなエンジン

そして、カワサキといえば「音」です。このモデルも、カワサキが掲げる「サウンドチューニング」が施されています。吸気音と排気音の周波数を徹底的に解析・チューニングすることで、ライダーの耳に届くサウンドを演出。

アイドリング時の腹に響くような重低音から、回転を上げたときの咆哮のような吸気音への変化。このエキゾーストノートを聞いているだけで、自然と笑みがこぼれてしまいます。

ライディングモード切り替えが嬉しい

画像1: ライディングモード切り替えが嬉しい

ハイパワーなエンジンを搭載していますが、それを誰もが安心して楽しめるように「インテグレーテッドライディングモード」が装備されています。トラクションコントロール(KTRC)とパワーモードを組み合わせたこのシステムは、「SPORT」「ROAD」「RAIN」、そして好みに設定できる「RIDER」の4つのモードを選択可能です。

画像2: ライディングモード切り替えが嬉しい

スポーツ走行を楽しむ「SPORT」、さまざまな状況に対応する「ROAD」での鋭い加速感は文句なしに気持ちいいのですが、私が今回とくに頼もしく感じたのが「RAIN」モードです。唯一、出力特性が穏やかになるこのモード、名前の通り雨天時の安心感は絶大ですが、じつは街乗りや慣れない峠道でも非常に有効なのです。

画像3: ライディングモード切り替えが嬉しい

発進停止を繰り返す渋滞路や、不慣れな道で疲れを感じたときなどは、レスポンスが鋭すぎると感じることがあります。そんなとき、「RAIN」モードに切り替えると、スロットル操作に対する反応がマイルドになり、ギクシャク感が消えて非常にスムーズに走れるようになります。

妙に出力を押さえつけたような窮屈さはなく、充分にスポーティに走れるのも魅力。「ハイパワーなモデルは疲れる」と思っている方にこそ、積極的に使っていただきたいモードです。

最新式のクイックシフター

画像: 最新式のクイックシフター

走りの楽しさを一段と引き上げてくれるのが、標準装備されている「KQS(カワサキクイックシフター)」です。クラッチレバーを操作することなく、シフトアップ/ダウンの両方が可能。現行世代では、1500rpmという低回転域から作動するように進化しています。

これが何を意味するかというと、サーキットや高速道路だけでなく、街中でのちょっとした加速や、ゆっくり流すような場面でもクイックシフターの恩恵を受けられるということです。

アイドリング回転数からほんの少しスロットルを開けていれば、スムーズにシフトチェンジが可能。ワインディングでは、コーナー手前でスパンと小気味よくシフトダウンし、立ち上がりで途切れのない加速を楽しむ。慣れてくると、この一連の動作は快感で、自分の腕が上がったかのような錯覚さえしました。

画像: ▲レバーの遊び調整も簡単にできます。

▲レバーの遊び調整も簡単にできます。

また、「アシスト&スリッパークラッチ」も標準装備されており、クラッチレバーの操作自体も非常に軽いため、シフト操作に関わるストレスはありません。

『SE』の足まわりが生む走りの楽しさ

画像1: 『SE』の足まわりが生む走りの楽しさ

Z900 SEを選ぶ最大の理由は、やはりその特別な足まわりにあります。

スタンダードモデルでも高い運動性能を持っていますが、従来からSEモデルに与えられてきた豪華装備は、最新世代の車体と組み合わされることで、その魅力をさらに増していました。

画像: ▲プリロードアジャスターを備えたオーリンズ製リアショック。工具を使わず調整できます。

▲プリロードアジャスターを備えたオーリンズ製リアショック。工具を使わず調整できます。

リアサスペンションには、オーリンズ製のS46ショックユニットを搭載。このサスペンションの動きは、一言でいえば「上質」です。路面の細かなギャップを見事に吸収し、まるでタイヤが路面に吸い付いているかのような接地感を生み出します。突き上げ感が少ないため乗り心地がよく、コーナーではしっとりと粘ってくれる安心感があります。

画像: ▲「brembo」のロゴが同系色であしらわれたキャリパー。Φ300mmのフロントディスクとブレーキパッドもブレンボ製です。

▲「brembo」のロゴが同系色であしらわれたキャリパー。Φ300mmのフロントディスクとブレーキパッドもブレンボ製です。

フロントブレーキには、ブレンボ製のM4.32ラジアルマウントモノブロックキャリパーを採用。さらに、ディスクローター、ブレーキパッドまでブレンボ製で統一されています。ラジアルポンプ式のマスターシリンダーは日本のニッシン製。そしてステンレスメッシュブレーキホースも採用。単に「よく利く」だけでなく、コントロール性が抜群に高く、指先の微妙な力加減で制動力を自在に操ることができます。

画像2: 『SE』の足まわりが生む走りの楽しさ

タイヤはシリーズ共通でダンロップ製のスポーツタイヤ「Sportmax Q5A」が装着されています。これら豪華な装備の組み合わせにより、スポーツ走行の楽しさは格別です。自分の意のままに、高い次元でマシンが動き、止まり、曲がる。この一体感は、『SE』ならではの特権といえます。

多機能メーターと電源ソケット

画像1: 多機能メーターと電源ソケット

コックピットまわりも現代的な装備で固められています。メーターには5インチのフルカラーTFT液晶ディスプレイを採用。速度、回転数、ギアポジションといった基本情報はもちろん、燃費や航続可能距離なども表示可能です。

特筆すべきは視認性の高さです。直射日光が当たるような明るい日中でも、画面はくっきりと鮮明で見やすく、必要な情報を瞬時に読み取ることができます。

画像2: 多機能メーターと電源ソケット

また、スマートフォン接続機能「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」にも対応しており、ターン・バイ・ターン式のナビゲーションも表示できます。

また「音声コマンド」にも対応。オーナーはインカムのマイクを通じてさまざまな指示を乗車中に出すことが可能です。

画像: ▲メーターの下部左側にキャップ付きの電源ソケットを完備。

▲メーターの下部左側にキャップ付きの電源ソケットを完備。

そして、地味ながら非常にありがたいのが、メーター下部に標準装備された「USB Type-Cソケット」です。後付け感なくフロントカウル内に綺麗に埋め込まれており、外観を損なわず、利便性を高めています。

今回のツーリングでは電熱ジャケットの電源確保に大いに役立ちました。スマートフォンホルダーを利用する方にとっても欠かせない装備でしょう。

ヘッドライトが明るく夜間走行も安心

画像: ▲3眼式のヘッドライト。上部2つがロービーム、中央下部がハイビーム。

▲3眼式のヘッドライト。上部2つがロービーム、中央下部がハイビーム。

日帰りツーリングのつもりがついつい遅くなってしまうなど、長距離移動では夜間走行が避けられないこともあります。そんなとき、Z900 SEの灯火類は非常に頼もしい存在です。

ヘッドライトはコンパクトなデザインからは想像できないほど、照射範囲が広く、強力な光量を放つのが特徴です。今回の試乗期間中は、街灯のない真っ暗な郊外の一般道や高速道路も走りましたが、まったく問題なし。

とくにハイビームは目の前から道が見えなくなるところまで照らしてくれて、道路上にたったひとりでも気分も明るく走り続けられました。ロービームでもクルマのヘッドライトかと思うほど左右幅の照射範囲が広く、路面状況を的確に把握できます。

画像: ヘッドライトが明るく夜間走行も安心

テールランプやウインカー、ポジションランプもすべてLEDを採用しています。テールランプは、ユニークなデザイン。後方からの被視認性が高いだけでなく、夜の闇に浮かぶその姿は個性的で、知っている人なら新型のZ900シリーズであることがひと目で分かるものです。

ずっと乗っていたくなる気持ちにさせられる

画像1: ずっと乗っていたくなる気持ちにさせられる

今回のツーリングでは、東京を出発して、宮城県の石巻まで足を延ばしました。1泊2日の行程で、牡鹿半島の美しい海岸線などもめぐる旅となりましたが、不思議なことに「もっと乗っていたい」「まだ降りたくない」という気持ちにさせられました。

もちろん肉体的な疲労がゼロというわけではありません。しかし、無理のないライディングポジション、取りまわしが億劫にならない軽量・コンパクトな車体、高性能サスペンションによる上質な乗り心地、そして意のままに操れるブレーキとエンジン。これらすべての要素が高い次元でバランスしているため、精神的なストレスが極端に少ないのです。

画像2: ずっと乗っていたくなる気持ちにさせられる

夜の国道を淡々と走る時間も、ワインディングを駆け抜ける時間も、そのすべてが濃密で楽しい。「まだ走りたいだろ?」「いま楽しいだろ?」と、Z900 SEの方から語りかけてくるような感覚さえ覚えました。

どこまでも行きたくなる、旅の相棒としての懐の深さを、このマシンは持っています。

まとめ

画像: まとめ

Z900 SEは、見た目の凄みやスペックの高さだけでなく、実際に乗って初めてわかる「扱いやすさ」と「奥深さ」を兼ね備えた一台でした。街乗りからワインディング、そしてロングツーリングまで、あらゆるシーンを存分に楽しめる万能なスーパーネイキッド。

この魅力のすべてを文字と写真だけで伝えるのは難しいものです。まずはぜひ、お近くのカワサキプラザで実車をご覧ください。その造形美と質感を目の当たりにすれば、きっと私のお伝えしたかったことをご理解いただけると思います。

文:西野鉄兵/写真:井上 演、Kawasaki Good Times 編集部

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