2025年3月にデビューした「Ninja 1100SX SE」は、カワサキの最新スポーツツアラーです。この記事では、筆者が1000kmほど走って感じた魅力をまとめてお伝えします。
画像: Kawasaki Ninja 1100SX SE 2025年モデル 総排気量:1098cc エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:820mm 車両重量:235kg 発売日:2025年3月29日(土) 税込価格:198万円 ※撮影車両はパニアケースキット、フレームスライダー、タンクパッドなど一部アクセサリーパーツを装着しています。

Kawasaki
Ninja 1100SX SE
2025年モデル

総排気量:1098cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:820mm
車両重量:235kg

発売日:2025年3月29日(土)
税込価格:198万円
※撮影車両はパニアケースキット、フレームスライダー、タンクパッドなど一部アクセサリーパーツを装着しています。

大きすぎないサイズ感

Ninja 1100SX SEは、ロングセラーモデルであるNinja 1000シリーズから進化して誕生しました。4気筒エンジンの排気量が1043ccから1098ccにアップしていますが、車格が大きくなったわけではありません。

身長175cm・体重75kgの私が跨るとご覧のような状態です。シート高は820mm。私の場合は、リアショックのプリロードを緩めた状態だと、両足のかかとが触れるか触れないかくらいの足つき性でした。跨った状態でも、舗装路の平地であれば車体を前後に動かせました。

走り出してしまえば、サイズ感はちょうどよく感じます。気をつけたいのは取りまわし。車両重量はノーマル状態で235kgあります。装備内容を考えると納得の重量ですが、400cc以下のモーターサイクルからステップアップして所有した場合などは、重たく感じるかもしれません。

画像: 大きすぎないサイズ感

ただ、スーパースポーツモデルに比べると、セパレートハンドルの位置は高く、絞り込みもきつくありません。ハンドル切れ角が左右31°ずつ確保されているのも特徴です(ちなみにNinja ZX-10Rは左右27°ずつ)。

快適なクルージング性能

高速道路の長距離移動における快適性は、セパレートハンドルを採用したモデルではトップクラスといってもいいでしょう。

画像1: 快適なクルージング性能

「エレクトロニッククルーズコントロール」を搭載し、高速道路の巡航時は右手の負担を大きく軽減してくれます。

画像2: 快適なクルージング性能

ハンドル左に備わるスイッチで作動が可能。速度調整は1.5km/h刻みで行なえるので、交通量の少ない高速道路なら、右手はほとんど使わず、左手のボタン操作だけで走れてしまいます。多様な解除方法が用意されているのも嬉しい配慮です。

高速道路の巡航時に際立つのが、『SE』の専用装備である、オーリンズ社製リアショックが生む心地よく上質なサスペンション効果です。路面の小さな段差やひび割れなどをことごとく吸収し、乗り手の負担を大幅に軽減してくれます。

画像: ▲『SE』専用装備のオーリンズ社製S46リアショックは工具不要で調整が可能。無段階でかなり細かなセッティングができます。

▲『SE』専用装備のオーリンズ社製S46リアショックは工具不要で調整が可能。無段階でかなり細かなセッティングができます。

さらに空力性能を徹底的に追求し設計されたスクリーンとボディカウルも強い味方。時速120km/hの巡航であっても、走行風を壁のように感じることはまったくありません。雨天時にも心強く感じます。

画像3: 快適なクルージング性能

スクリーンは手動で4段階の角度調整が可能。高速道路ではもっとも立てた角度にするのがラクだと感じました。上体を必要以上に伏せることなくリラックスした姿勢で乗っていても、ヘルメットの上部を風が流れていっているのが体感できました。

航続可能距離が長い

Ninja 1100SXシリーズのデザイン面での特徴にもなっているボリューミーな燃料タンク。容量は19Lを誇ります。

ツーリングをした際に実測燃費を計算したところ、347km÷16L=21.7km/Lという数値を記録しました。

カタログスペックのWMTCモード値は18.6km/Lでしたが、穏やかに走ればそれ以上の数値を出すことも可能です。

仮に平均燃費が18.6km/Lだとしたら、掛ける19Lで航続可能距離は353.4kmとなります。

画像: 航続可能距離が長い

トリップメーターはA/B用意されています。300km走行を目安に給油を考えるとよさそうです。またNinja 1100SXシリーズのメーターは航続可能距離の目安も表示してくれるので安心感があります。

満タンから347km走った際は燃料計の点滅が始まっていたものの、まだ50km以上走れることが表示されていたので、少し粘りました。給油時はそれでもまだ3Lも残っている状態だったのが驚き。航続距離の長さは、ツーリングでの頼もしさに繋がります。

瞬間燃費計やECO走行インジケーターも備わっているので、より意識的に燃費の向上を図れば、もっと伸ばすこともできそうです。

画像: ▲油面をのぞきやすい給油口。油種はハイオクです。

▲油面をのぞきやすい給油口。油種はハイオクです。

スポーツ走行が楽しい

クルージング性能とスポーツ性能をバランスよく両立していることがスポーツツアラーの条件です。Ninja 1100SX SEは、ハイレベルでそのどちらも満足できるものです。

画像1: スポーツ走行が楽しい

絶妙なハンドル位置と幅・絞り角により、ライディングポジションはクルージングとスポーツ走行時で大きく変えられます。

ライディングモードはデフォルトで「SPORT」「ROAD」「RAIN」の3種が用意されており、峠道では「SPORT」の鋭さを楽しみました。スロットルレスポンスはまさにスポーツモデルのそれで、「走るぞ」という気分も高まります。

画像2: スポーツ走行が楽しい

当モデルから1098ccになった4気筒エンジンは、低い回転数からトルクを増強させています。これにより、しっかり開けて走るのが楽しいのはもちろんのこと、流すように低回転で走っても安心感があります。かなりタイトな峠道も、従来モデルよりだいぶ曲がりやすく感じました。

画像3: スポーツ走行が楽しい

そして上級グレードの『SE』には、ブレンボ社製のフロントブレーキキャリパーとディスクが採用されています。さらに前輪のブレーキホースはステンメッシュタイプ。この効果は絶大で、軽くはない車体をしっかりと制動してくれます。握る力に対して、ブレーキがよく利くと感じる人も多いはず。ラクに減速できるので、安全なうえ疲れにくいと思いました。

画像: ▲『SE』はブレンボ社製M4.32フロントブレーキキャリパーとブレーキディスク、それにステンメッシュ製ホースを組み合わせています。高い制動力と優れたコントロール性を両立。

▲『SE』はブレンボ社製M4.32フロントブレーキキャリパーとブレーキディスク、それにステンメッシュ製ホースを組み合わせています。高い制動力と優れたコントロール性を両立。

画像: ▲KQS(カワサキクイックシフター)も標準装備。この『1100』から作動可能な回転数が1500rpmまで落とされ、アイドリング+αの状態から使用できるようになりました。シフトアップ&ダウンのどちらにも対応しています。

▲KQS(カワサキクイックシフター)も標準装備。この『1100』から作動可能な回転数が1500rpmまで落とされ、アイドリング+αの状態から使用できるようになりました。シフトアップ&ダウンのどちらにも対応しています。

画像: ▲多少荒れた路面もトラクションコントロールや高性能なサスペンションのおかげで、けっこう走れます。ワインディングロードのひび割れや橋の継ぎ目などは、ほとんど気にすることなく走りに集中できますよ。

▲多少荒れた路面もトラクションコントロールや高性能なサスペンションのおかげで、けっこう走れます。ワインディングロードのひび割れや橋の継ぎ目などは、ほとんど気にすることなく走りに集中できますよ。

専用パニアケースでスマートな積載を実現

今回の撮影車両にはアクセサリーパーツのパニアケースキットが備わっていました。これがすこぶる便利なんです。

画像1: 専用パニアケースでスマートな積載を実現

容量は片側28Lで、最大積載量は5kg。フルフェイスヘルメットも収納可能で、ふた側にも荷物を入れて閉じられます。ペットボトルの飲み物などもサッと出し入れできるのが便利だと思いました。

イグニッションキーで施錠・解錠、取り外しができるワンキーシステムを採用していることもセールスポイントです。

またこのケースは専用のステーを後付けすることなく装着可能。「バッグフィッティングキット(税込2508円)」というゴムパーツを備えるだけで、ピタッと車体にフィットします。

パニアケースキット自体はそのゴムパーツを含め、左右合わせて総額18万7308円(税込)となりますが、見た目のスマートさや防犯性の高さ、ワンキーシステムによる利便性の高さを考えたら納得できる金額だといえるでしょう。

画像2: 専用パニアケースでスマートな積載を実現

左右合計56Lの容量は、泊まりがけツーリングの荷物も余裕で運べるほどでした。キャンプツーリングをされる方も、長尺物をリアシートに積載すれば、スマートなスタイルを維持できるはずです。

This article is a sponsored article by
''.