スマホコネクト機能も持つ多機能メーター
4.3インチのTFTカラー液晶メーターは、多彩な機能を備えています。

【主な表示機能】
スピードメーター
タコメーター
ギアポジションインジケーター
シフトアップインジケーターランプ
クルーズコントロールインジケーター
ECO走行インジケーター
燃料計
水温計
外気温計
電圧計
時計
カワサキサービスリマインダー
オイル交換リマインダー
スマートフォン電話着信/メール着信
オドメーター
トリップメーターA/B
瞬間燃費
平均燃費
航続可能距離
平均速度
経過時間
など
表示モードは2パターン用意されています。これらはメーターのメニューモードを起動して設定します。

▲表示モード・タイプ1。ツーリングでの使用を想定した一般的なレイアウトとなっています。

▲表示モード・タイプ2。スポーツライディング時を想定したモードです。前後への加速度、フロントブレーキ圧やスロットル開度が優先的に表示されます。さまざまなグラフが挙動に合わせて動くのが特徴で、数値ではなく感覚的に車体の状況を把握できます。
さらに背景色の反転も可能。こちらはハンドル左側に備わるスイッチボックス内にある「RESET」ボタンをワンプッシュするだけで走行中も切り替えられます。

▲タイプ1

▲タイプ1・反転表示

▲タイプ2

▲タイプ2・反転表示
光度センサーが搭載されているため、トンネル内や夜間を走るときは、メーターのバックライトもそれに応じて暗くなります。ただ私は夜に走るときは、黒を基調とした反転状態の方が走りやすく感じました。
いずれにしてもTFT液晶は、どんな環境下でもはっきりと視認できるのが持ち味。日差しが画面に当たっているような状態でも、情報をひと目で把握できます。

表示の切り替えはスイッチボックスを触れば、多くの方が直感的に理解できるものだと思います。
ツーリングの最中は、ギアポジションインジケーターが見やすくてありがたく感じました。Ninja 1100SX SEはギアポジションをあまり気にせずに走れてしまいます。3速での発進もさほど無理なくできますし、そのまま100km/h以上まで加速することも可能。逆にトップギア6速での50km/h走行も平気でこなせます。
どのギアでも走れてしまうがゆえに、「いま何速だっけ?」と確認することがたびたびありました。またクイックシフターを活用するとより分からなくなるので、ギアポジションが大きく表示されているのは嬉しかったです。

あとは乗り出す日の朝一番など、エンジン熱の影響を受けていないときに外気温計をチェックしていました。

また「RIDEOLOGY THE APP」を使用して、スマートフォンに情報を送ったり、逆に着信やメール通知をメーターに表示することも可能です。GPSを使用した走行ログの記録も取れるので、ツーリング中に発見した気持ちいい道や絶景スポットをあとから思い出すのにも役立ちます。従来モデルから新たに「音声コマンド」機能も追加されており、できることがいっそう増えています。
ユーティリティが充実
カワサキのモーターサイクルは、他社のライバルモデルと比べて、ノーマル状態からユーティリティが充実していることがよくあります。Ninja 1100SXシリーズもそんな機種といえるでしょう。

▲グリップヒーターは押した後に光る点滅の数で、高・中・低の温度を見分ける仕組み。
グリップヒーターは標準装備。温度設定は高・中・低の3段階用意されています。純正品は、通常のハンドルとグリップ径がほとんど変わらないのが美点。配線類も露出せずすっきりとまとめられています。

▲ETC2.0車載器はリアシートの下。
ETC2.0車載器も標準装備されています。本体はリアシートの下に設置されています。リアシートはイグニッションキーを使って開閉するため、防犯性もばっちり。メーターには、ETCカードが使用可能な状態なのかを示すインジケーターが備わっています。

▲防水キャップ付きの純正電源ソケット。ケーブルはUSBタイプCと手持ちの端末に合うものをご用意ください。

▲防水キャップ付きの純正電源ソケット。ケーブルはUSBタイプCと手持ちの端末に合うものをご用意ください。
従来の『1000 SX』からNinja 1100SXシリーズに進化した際、USBタイプC電源も標準装備となりました。スマートフォンホルダーをハンドルまわりに装着した際に使いやすい位置に設置されています。

▲ヘルメットホルダーはパニアケースを装着しても使える位置に備わっています。
ヘルメットホルダーも標準装備品。イグニッションキーを使い施錠・解錠を行なうオーソドックスで使いやすい仕様です。
ライトが明るく夜道も安心
今回の試乗期間中、夜間の街中や高速道路も走行しました。シャープな形状のLEDヘッドライトは外観の特徴にもなっていますが、その明るさも申し分ありません。

光量もさることながら、横方向の照射範囲の広さが特長。走行している車線の幅を端から端までカバーしているのはもちろん、高速道路では、隣の車線まで照らされていて、安心感は抜群です。
またハイビームの照射距離がとても長く感じました。郊外の一般道や、照明の少ない高速道路では頼もしく感じるはずです。

ちなみにNinja 1100SXシリーズは、テールランプやウインカーといった灯火類はすべてLEDが採用されています。被視認性の高さも特長です。
ドラレコ標準装備、多彩な安全サポート機能
運転支援機能としてABSやトラクションコントロールが備わっているのは当たり前。Ninja 1100SXシリーズはドライブレコーダーまで標準装備されています!

▲前方を録画するカメラ。
二輪車の場合、ドライブレコーダーは設置するための配線処理に悩むこともしばしば。標準装備ということで、非常にすっきりした設置を実現しているのは大きな魅力といえます。

▲後方を録画するカメラ。
このドライブレコーダーは国内メーカー・ミツバサンコーワ社製のもの。カメラは車体の前後に備わっています。
常時録画に対応しているのはもちろんのこと、衝撃を検知すると自動で録画する機能を備えています。さらにハンドル左側に搭載された強制録画スイッチを使えば、美しい景色の記録など、任意のタイミングで確実に映像を残すことができます。

▲本機で録画した映像から切り出したキャプチャです。明るいヘッドライトと高精細な映像記録性能の相乗効果により、暗い場所でも鮮明な映像を残すことができます。
車体から記録媒体のmicroSDカードを抜き出すこともできますが、ミツバサンコーワのアプリ「MotoDR」を使うことで、無線通信でスマートフォンやタブレットへ映像を送ることもできます。
記録した映像はGPSデータと紐づいていれば、どこで撮られたものなのかも一目瞭然。旅の記録をしっかりと取りたいという方にも大いに役立つ装備です。

▲スマートフォンアプリ「MotoDR」の表示例。前後カメラを同時に再生させることや、Googleマップと連動して再生することができます。
長旅を愛する人たちに選ばれてきた実績がある
Ninja 1100SXシリーズのルーツは、2011年にデビューした初代「Ninja 1000」です。そこから計4度のモデルチェンジを経て、『1100』になりました。もともと「Ninja 1000」の時代から、長距離走行を楽しむライダーたちに愛されてきて、現在も歴代のモデルに乗るオーナーは多く、ツーリングスポットでは、さまざまな年式のモデルを見かけます。

Ninja 1100SXとNinja 1100SX SEは、そのロングセラー・スポーツツアラーの遺伝子を受け継いで誕生した最新モデル。従来型の「Ninja 1000SX」で充分すぎるほど完成度の高いパッケージを実現していましたが、さらに熟成させ、装備もアップデートして2025年3月に販売開始されました。

私は今回の試乗期間中に1000kmほど走りました。1泊2日で往復800kmほどのツーリングにも出かけたのですが、Ninja 1100SX SEのオーナーさんには「人に話すほどの距離ではない」といわれる気がします。
一度走り出すと「降りたくない」という気持ちにさせられる、魔力のようなものを秘めていると思いました。高速道路の乗り放題プランとの相性も抜群。スムーズにダイナミックな旅を展開できるでしょう。

小排気量車や遠出が得意ではない車種に乗っていて、休日に行けるところは行きつくしてしまったという、ベテランライダーさんにはとくにおすすめしたいと思います。
ぜひお近くのカワサキプラザで実車を確認し、可能なら試乗も行なってみてください。ほんの少し乗っただけでも分かる、その上質さや高級感に驚くはずです。
文:西野鉄兵/写真:関野 温、Kawasaki Good Times 編集部



