新体験ブースが続々!神戸港を望むミュージアムで体感する、最新の「ものづくりエンターテインメント」


神戸の青空に美しく映える、神戸海洋博物館の特徴的な白いスペースフレーム。その大屋根の下へ一歩足を踏み入れると、歴史を物語る巨大な帆船模型が来館者を迎えてくれます。
この港町のロマンが詰まった空間に併設されているのが、「カワサキワールド」です。開館20周年の節目を迎えた同館は、館内面積の約半分を刷新する初の大規模リニューアルを果たしました。
最新のデジタル技術とものづくりの情熱が融合した、新設の体験型ブースやアップデートされた展示エリアの見どころを、詳しくご紹介します。
圧倒的な没入感!創業のドラマを体感する「新生ヒストリーゾーン」へ


リニューアルを果たしたカワサキワールドの入口ゲートは、看板の位置が見直され、視認性が高く分かりやすい佇まいへと改修されています。ゲートをくぐると、陸・海・空にわたる多角的な事業内容を象徴する立体的なフォトスペースが新設されており、大きな赤い“Kawasaki”のロゴマークが来館者を迎えます。

エントランス部分を通り抜けると、大幅な刷新を遂げた「ヒストリーゾーン」へとつながります。ゾーンの冒頭には、創業者・川崎正蔵氏と初代社長・松方幸次郎氏の肖像パネルが掲げられており、ここから始まる川崎重工グループの技術の歴史をひも解くプロローグとなっています。


そのすぐ隣には、1909(明治42)年建設の本社社屋に由来する「リバーマーク」の石碑が、一新されたディスプレイとともに展示されています。新設されたバックパネルの足元には、明治期の神戸工場の壁から移設された歴史ある本物のレンガが採用されています。




ヒストリーゾーンで目を引くのが、今回新設された映像エリア(ムービーブース)です。落ち着いた雰囲気のエリアには大型スクリーンとベンチが設置されており、創業者・川崎正蔵氏と初代社長・松方幸次郎氏の歩みを描いたオリジナルアニメーション(約5分)を座って鑑賞できます。川崎重工グループの創業の精神を、アニメーションという親しみやすい手法で伝える新たな展示です。


スクリーンの傍らには、上映映像内でも描かれ、長年にわたり神戸工場の船舶修繕を支えた「第1乾ドック」のミニチュア模型が展示されています。さらに、かつてガントリークレーン(第4船台)の基礎として実際に使用されていた貴重な「松杭(まつぐい)」の実物もあわせて配置されており、映像の歴史背景をその場で立体物として確かめられる構成となっています。
回遊式ディスプレイで多角的な事業を網羅する、新生「パネル展示コーナー」

川崎重工グループの歴史と事業内容を紹介するパネルコーナーは、空間設計から全面的に刷新されました。従来の直線的なルートからじっくりと見学できる回遊方式へと変更したことで展示スペースを拡大し、各事業セクションの情報量を拡充しています。
パネルを掲示するホワイトのグリッドディスプレイは、豊富な展示量ながらも圧迫感を与えない開放的な設計です。ゆとりを持たせたレイアウトにより見やすさも向上しています。なお、この空間は将来的に新たな事業が誕生した際、すぐに展示を拡張できるよう未来を見据えた設計となっています。

コーナーの冒頭には、同社の事業がどのように枝分かれし、発展していったかを視覚的に分かりやすくまとめた「系統樹パネル」が設置されています。

世界地図を用いて同社のグローバルな展開を示す「カワサキの技術で世界一周!」パネルも展示されています。




■ 船舶(Ships)
明治の創業期から近代日本を支えてきた造船事業の歴史を紹介するセクションです。クリーンエネルギー輸送など、未来の脱炭素社会に向けた水素運搬船への取り組みまでを解説しています。会場には、先述の松杭が使用されていたガントリークレーンの模型や、空母「瑞鶴」の模型が展示されています。




■ 鉄道車両(Rolling Stock)
日本初の国産蒸気機関車から、新幹線、海外の地下鉄まで、世界の鉄道インフラを支えてきた軌跡をたどるセクションです。歴史を感じさせる貴重な実物資料のほか、100系新幹線2階建て車両のカットモデル(1階個室部分)などが展示されています。





■ 航空機(Aircraft)
大正時代の飛行機開発への参入から、最新の自衛隊機、国際共同開発による旅客機やヘリコプター、次世代の航空エンジンまでの技術の進化を解説しています。三式戦闘機「飛燕」や航空機エンジンに関する展示のほか、ドクターヘリやブルーインパルスの模型は、以前の展示よりも見やすい高さへと位置が見直されています。


■ パワースポーツ(Power Sports)
モーターサイクル(バイク)やジェットスキー、オフロード四輪車の歴史を凝縮したセクションです。レジャーやスポーツ分野におけるモビリティの進化を紹介しています。




■ エネルギー・インフラ(Energy & Infrastructure)
ガスタービン発電所や環境プラント、都市基盤を支える社会インフラに関するセクションです。LNG受け入れターミナル、トンネル掘削機、発電用ガスタービンなどの精巧なジオラマ模型とともに展示されています。



■ モーションコントロール(Motion Control)
油圧機器の歴史から、国産初の産業用ロボット「川崎ユニメート」の誕生、速度や精密さを誇る最先端の自動化・省力化ソリューションまで、同社の制御技術を紹介するセクションです。ロボットアームや、水平多関節クリーンロボットの実物が展示されています。
ミラーと光の演出が融合した、新生「ワールドシアター」


川崎重工グループの多彩な製品を紹介する「ワールドシアター」が、完全リニューアルされました。
この刷新に合わせて映像コンテンツを刷新すると同時に、空間演出が強化されています。左右の壁面をミラー仕様にすることで、合わせ鏡による無限の奥行きを感じさせる空間が構築されました。映像と連動したライティングがミラーに映り込み、空間全体が一体となることで、同社グループの技術や製品をより臨場感をもって体感できるシアターとなっています。
モーターサイクル事業70周年特別展示「不屈のライムグリーン」展示車両を入れ替え






1972年発売の「900 SUPER FOUR(通称:Z1)」と「Ninja H2」。それぞれの時代における最高峰の技術を投入して開発された新旧のフラッグシップモデルが、「モーターサイクルギャラリー」のエントランスを飾ります。

今回のリニューアルでは「モーターサイクルギャラリー」自体の改修はなかったものの、開催中のモーターサイクル事業70周年特別展示「70 Years of Good Times」の第五弾「不屈のライムグリーン」において、展示車両の入れ替えが実施されました。

20年ぶりに世界最高峰の舞台へと帰ってきた記念すべきマシン、初期型のNinja ZX-RR(2002)。
2002年10月の日本GP(もてぎ)にて、ゼッケン48を背負った柳川明選手のライディングで劇的な復活劇を果たしました。翌年からの本格フル参戦、そして後の表彰台獲得へと繋がる、新生カワサキのMotoGP挑戦における記念すべき第一歩を刻んだ歴史的な1台です。




今回の車両入れ替えでは、カワサキの熱いレース史を彩った歴代のマシンたちが集結。「ZXR-7」、モトクロス界を沸かせた「KX250SR」など、ライムグリーンの魂が宿る名車たちを間近で堪能できます。


通路沿いに広がる展示エリアには、それぞれの世代の来館者が過ごした青春時代の記憶や、当時の思い出を鮮明に呼び起こす歴代の名車たちが、当時の実車そのままの姿で展示されています。



モーターサイクルギャラリーの締めくくりには、来館者が実際に車両に触れて乗車することができる体験ブースが設けられています。
ここには、最新の市販スポーツモデル「Ninja ZX-4RR」とクラシックスタイルの「MEGURO S1」の二輪車2台、カワサキ初の電動四輪車となるパーソナルトランスポートビークル(PTV)でリチウムイオンバッテリー搭載の「NAV 4e Limited」 が1台配置されています。実際にシートに跨ったり運転席に乗り込んだりすることで、ライディングポジションや車両のサイズ感を直接体感できる、参加型のエリアとなっています。
万博出展の未来モビリティ展示や、刷新された体験ブースを紹介する後編記事は11月4日(水)公開予定


