“排除する者”が持つDNA

Kawasaki
ELIMINATOR
2027年モデル
総排気量:398cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:735mm
車両重量:176kg
発売日:2026年7月18日(土)
税込価格:85万8000円
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シート高の低さと軽量な車体による優れた足つき性・扱いやすさ、それでいて迫力あるロー&ロングのフォルム。
一見すると日常に寄り添う親しみやすいクルーザーと感じられるこのモデルですが、その名に刻まれた歴史を紐解くと、カワサキが誇る「既成概念への挑戦」という熱いDNAが受け継がれていることがわかります。
「ELIMINATOR = 排除する者」。この刺激的な名を与えられた名車の歴史と、カワサキスピリットの軌跡を振り返ります。
世界最速の心臓を載せた「ロー&ロング・ドラッガー」が誕生

「ELIMINATOR」の歴史は、今から約40年前の1985年に始まりました。
1980年代半ば、米国を中心にいわゆる「アメリカン(クルーザー)」カテゴリーが隆盛を極めており、この当時、各メーカーが目指していたのは、V型2気筒エンジンを搭載したクラシカルで優雅なスタイリングでした。
しかし、カワサキのアプローチは全く異なっていました。
「他と同じものを作っても面白くない。カワサキらしい圧倒的な走りをクルーザーで表現できないか」
そこでカワサキが白羽の矢を立てたのが、当時「世界最速」の称号を欲しいままにしていたスポーツモデル「GPZ900R」でした。

ELIMINATOR900(1985年・海外仕様)
最高出力105馬力を誇るスーパースポーツのエンジンを低回転でパワーを発揮するようチューニングし、極端に低いシートと低く長い「ロー&ロング」のフレームに移植。駆動系にはメンテナンスフリーかつタフなシャフトドライブを採用し、リアには極太の15インチタイヤをセット。
こうして誕生したのが初代「ELIMINATOR(900)」(1985年)です。
ゼロヨン加速で他を圧倒し、既存のクルーザーの概念を文字通り「排除(Eliminate)」する衝撃的なパフォーマンス。カワサキは優雅なクルーザーではなく、「パフォーマンス・ドラッガー」という唯一無二のニューカテゴリーを世界に知らしめました。

その後、国内向けに排気量を縮小したELIMINATOR750や、さらに排気量を拡大した怪物マシン「ZL1000」を相次いで投入。カワサキのフラッグシップの一角として強烈な印象を残しました。
ミドル・クォーターへ広がるエッセンス
初代900の成功を受け、エリミネーターの刺激的な遺伝子は中型免許(現・普通二輪免許)枠のミドル・クォータークラスへと広がっていきます。
400ccモデルの登場と広がるバリエーション

1986年、当時の大ヒットスポーツ「GPZ400R」の水冷並列4気筒エンジンを搭載した「ELIMINATOR400」が登場。400ccクラスでありながら54馬力を発生し、ドラッグレーサースタイルを忠実に再現しました。
続く1988年には、ビキニカウルを備えたスポーティな「ELIMINATOR400 SE」や、メッキパーツとスポークホイールでクラシカルな雰囲気を演出した「ELIMINATOR400 LX」を追加。バリエーションを拡充し、ストリートバイクの象徴として若いライダーの心を掴みました。


250cc・125ccクラスへの展開
250ccクラスには、GPX250R譲りの水冷ツインエンジンを搭載した「ELIMINATOR250」シリーズが投入されました。高回転まで爽快に回るエンジンと軽量な車体は、街乗りからツーリングまで幅広く対応。

1998年には、新開発のV型2気筒エンジンを搭載した本格的な「ELIMINATOR250V」が登場。250ccながらクラスを超えた重厚なルックスと、250ccクラスとして十分な動力性能を備えたロングセラーモデルとなりました。
原付二種の「ELIMINATOR125」に至るまで、サイズや排気量は違えど、どのモデルにも「ロー&ロングの迫力あるスタイル」と「走りの楽しさ」が妥協なく注ぎ込まれていました。
令和に咲いたNEW「ELIMINATOR」
時代は流れ、排ガス規制やライダー層の変化に伴い一度はラインナップから姿を消したELIMINATOR。しかし2023年、完全なる新設計モデルとして劇的な復活を果たします。
誕生から約40年を経て登場した現代の「ELIMINATOR」が掲げたテーマは、過去の完全な復刻ではなく、「現代のライダーに向けた新しいクルーザーの再定義」でした。

ELIMINATOR(2024年モデル)
Ninjaの遺伝子と、圧倒的な扱いやすさの融合
最新のELIMINATORには、カワサキが誇るスポーツモデル「Ninja 400」譲りの水冷並列2気筒エンジンが搭載されています。「スポーツモデルの心臓をロー&ロングの車体に載せる」という初代からの伝統は、ここでもしっかりと受け継がれています。
低速域での扱いやすさと、高回転域までスムーズに吹け上がる爽快感を両立。そして誰もが親しみやすい低い735mmのシート高と軽量な車体を実現しました。
かつての「過激で硬派なドラッグマシン」から、誰もが安心してバイク本来の楽しさを味わえる「フレンドリーでスポーティなストリートクルーザー」へ──時代のニーズにあわせ、ELIMINATORは優しく、そして頼もしく進化を遂げたのです。
さらに上級グレードの「ELIMINATOR SE」と2025年モデルで追加された「ELIMINATOR PLAZA EDITION」には、前後GPSドライブレコーダーを標準装備するなど、先進のテクノロジーと安全性を融合させる先進性もカワサキらしいアプローチです。
時代が変わっても、受け継がれる「カワサキスピリット」

ドラッグレースの最速を追い求めた80年代の怪物マシンから、誰もがバイクライフを楽しめる現代のスマートなストリートクルーザーへ。
「ELIMINATOR」の姿や役割は、時代の移り変わりとともに変化してきました。しかし、その根底にある思想——「既存の枠組みにとらわれず、ライダーに最高の走りと所有感を提供する」という姿勢は、1985年の誕生から一度もブレていません。
週末、街やワインディングで見かける現代のELIMINATOR。その流麗なフォルムと心地よい排気音の奥には、カワサキが長い年月をかけて磨き上げてきた「既成概念を打ち破る挑戦の歴史」が静かに、そして確かに息づいています。
まとめ:Kawasaki Good Times Journal 編集部



