自社開発のスーパーチャージャーを搭載し、二輪史にその名を刻んだカワサキ「Ninja H2R/H2」。衝撃のデビューから、旅を快適に制するツアラー「Ninja H2 SX」、スーパーネイキッド「Z H2」への展開まで、今や完成形へと至った現行モデルの魅力とカワサキが誇る先進技術の系譜に迫ります。

世界の度肝を抜いた「Ninja H2R」の衝撃

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2014年9月30日、ドイツ・ケルンで開催されたインターモトにて発表された「Ninja H2R」は、自社開発の遠心式スーパーチャージドエンジンを搭載した唯一無二のモンスターマシンでした。

この「スーパーチャージャー」とはエンジンの過給機の一種です。同じ過給エンジンでも排気の圧力でタービンを回す「ターボ」と違い、エンジンの動力を利用してインペラを回転させ、空気を圧縮し、自然吸気(NA)エンジンよりもシリンダー内に多くの空気を送り込むことができます。したがって、同排気量帯のモデルよりも高いパワーを発揮することができるのです。

そんなNinja H2Rのエンジンは、川崎重工業の航空宇宙カンパニーやガスタービン・機械カンパニーなど、グループ全体の技術を結集して生み出されました。その証にNinja H2Rのフロントマスクには、川崎重工の由緒ある「リバーマーク」のエンブレムが採用されました。

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最初に国内で販売に至ったのは、クローズドコース専用モデルの「Ninja H2R」。こちらは排気量998cc、最高出力はラムエア加圧時326PSという想像を絶するパワーでそれに対応したウイングレットなどの空力パーツも備えていました。

画像: Ninja H2R(2015年モデル)

Ninja H2R(2015年モデル)

一方、公道用モデルは2015年モデルから海外で販売が開始され、日本でも輸出専用モデルが輸入されていました。しかし、国内向けモデルとしては排出ガス規制への対応などから設定されておらず、2019年に満を持して国内仕様の「Ninja H2 CARBON」がラインナップに加わります。

最高出力はラムエア加圧時で242PSを発揮。電子制御システムや、ハイスペックなフットワークも採用されています。

画像: Ninja H2 CARBON(2019年モデル)

Ninja H2 CARBON(2019年モデル)

銀鏡塗装の美しいボディラインと圧倒的な加速力で、Ninja H2は一気に世界中のライダーの憧れとなり、「カワサキ=スーパーチャージドエンジン」という新たなアイデンティティを確立したのです。

究極を目指した技術を「日常」へ落とし込んだ派生モデル

Ninja H2が示した「過給エンジンによる未知の加速感」。カワサキはこの優れた技術をサーキットや一握りのスーパースポーツ好きだけに留めず、ツーリングやストリートといった多様なライディングシーンへと拡張させていきました。

▶Ninja H2 SXシリーズ

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スーパーチャージドエンジンを搭載したハイパフォーマンスツアラー

2018年3月1日に国内発売された本モデルはNinja H2のエンジン特性をよりフレンドリーにした「バランス型スーパーチャージドエンジン」を搭載した派生モデルで、常用回転域でのパワー特性や燃費性能が大きくアップ。

長距離走行でも疲れないライディングポジション、最新の電子制御システム(電子制御サスペンションやARASなどの運転支援技術)を備え、目的地まで快適に移動できるプレミアムツアラーとして、ツーリングシーンでもスーパーチャージドエンジンがもつ爽快な加速フィールを味わえるようになりました。

画像: Ninja H2 SX SE(2018年モデル)

Ninja H2 SX SE(2018年モデル)

また、上位グレードであるNinja H2 SX SEも同時に発売。こちらはLEDコーナリングライトの採用やクイックシフター、そのほか大型ウインドシールドをはじめとするアクセサリーが標準で装備されていました。

2019年モデルでは、最上位グレードとしてNinja H2 SX SE+がラインナップ。専用グラフィックが採用されたほか、電子制御サスペンション・KECS、ブレンボのStylemaモノブロックキャリパーを装備。さらに当時としては画期的だったスマートフォンとの連携機能も利用できました。

画像: Ninja H2 SX SE+(2019年モデル)

Ninja H2 SX SE+(2019年モデル)

2022年モデルではフルモデルチェンジを受け、より洗練されたボッシュ製のARASを搭載しアダプティブクルーズコントロールやエマージェンシーストップシグナル、フォワードコリジョンワーニングなど、安全性を高めた快適なツーリングを実現するための新機能をカワサキとして初採用。SEではショーワ製電子制御サスペンションとブレンボのStylemaモノブロックキャリパーが標準装備され、リム部分に切削加工が施された高級感のあるホイールが採用されています。

そして2023年モデルではオートハイビームの採用、2024年モデル以降はNinja H2 SX SEのみがラインナップされ、以降はカラー&グラフィックのみの変更で現行モデルに至ります。


▶Z H2シリーズ

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スーパーチャージド・スーパーネイキッドという挑戦

初代Ninja H2 SXの国内モデル発売から約2年後となる2020年4月4日、カウルを削ぎ落とした武骨な「Z」シリーズのフラッグシップモデルとしてZ H2が発売されました。

アップライトなポジションで優れたハンドリングを持ち、スーパーチャージドエンジンをあえて見せるネイキッドモデルならではのワイルドなスタイリングを採用しています。

画像: ▶Z H2シリーズ

パワーユニットはNinja H2 SXと同じ排気量998ccのバランス型スーパーチャージドエンジンを搭載しており、ネイキッドならではのダイレクトな風圧を感じながらアクセルを開けた瞬間に立ち上がる強烈なトルクを味わうことができます。

2021年モデルでは、電子制御サスペンションを搭載したZ H2 SEが登場。2026年モデル以降はこのSE仕様のみがラインナップされています。

現在も受け継がれるスーパーチャージドエンジンモデル

画像: 現在も受け継がれるスーパーチャージドエンジンモデル

Ninja H2が切り拓いた過給エンジンの未来は、今や「Ninja H2 SX SE」「Z H2 SE」という完成された日常の相棒へと実を結びました。

街乗りからワインディングまで幅広くこなす扱いやすさと、いざアクセルを開ければ牙をむくパワー。この見事な「二面性」こそが、ライダーを惹きつけてやまない魅力です。

さらに最新の電子制御と所有感を満たす美しいデザインが融合したカワサキのスーパーチャージドエンジンモデルは、単なる移動手段を超えた「走る感動」をもたらし、あなたのモーターサイクルライフの景色を一変させます。
カワサキが「スーパーチャージャー付エンジン」ではなく「スーパーチャージドエンジン」と表現するのも、その思想を象徴するもの。
自社開発のスーパーチャージャーをエンジンと一体で設計し、徹底的に作り込んだからこそ実現できた加速感と上質な走りを、ぜひ体感してください。

まとめ:Kawasaki Good Times Journal 編集部

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