なぜ「Ninja ZX」シリーズは、どの排気量でもひと目で「Ninja ZX」だとわかるのでしょうか。
それは、シリーズ全体に共通する明確な思想があるからです。カワサキ「Ninja ZX」シリーズは、排気量や価格帯が異なっても、常にクラスのトップレベルを目指す本格スーパースポーツとして開発されてきました。
レースで培われた技術や機能はもちろん、妥協を許さない開発思想や一貫したデザインもまた、「Ninja ZX」シリーズを象徴する大切な要素です。
では、その共通するアイデンティティはどのように受け継がれてきたのでしょうか。
今回は、「Ninja ZX」シリーズの歴史とともに、その魅力を紐解いていきます。

Ninja ZXシリーズってなに?

カワサキの「Ninja ZX」という名。それは単なる車名ではなく、常に「そのクラスでの最高・最強」を目指して開発される、カワサキ直系の本格スーパースポーツだけに与えられる称号です。

フラッグシップの「Ninja ZX-10R」やミドルクラスの「Ninja ZX-6R」は世界を舞台にサーキットでそのパフォーマンスを証明していますが、小中排気量帯のシリーズモデルも負けていません。

画像: Ninja ZXシリーズってなに?

250ccクラスには唯一無二の並列4気筒エンジンを掲げ登場した「Ninja ZX-25R」、400ccクラスにはラムエア加圧時に驚異の80PSを発揮しクラス最高レベルのスペックを誇る「Ninja ZX-4R」が投入されており、どの排気量であっても妥協なく「クラスの頂点」を目指して設計されています。

Ninja ZX-10RからNinja ZX-25R、そして最新のNinja ZX-4Rへ

画像: ▲2015年のスーパーバイク選手権で優勝を果たしたNinja ZX-10R。

▲2015年のスーパーバイク選手権で優勝を果たしたNinja ZX-10R。

カワサキ・スーパースポーツの歴史は、フラッグシップであるNinja ZX-10R(かつてのNinja ZX-9RやNinja ZX-6R)が世界中のレースで勝利を積み重ねることから始まりました。

サーキットで勝つために鍛え上げられた技術とエアロダイナミクスは、長らくビッグバイクやミドルクラスの専売特許とされていた時代が続きます。

その常識を打ち破ったのが、2020年9月10日に登場したNinja ZX-25Rでした。

「250ccで本物の4気筒スーパースポーツを作る」というカワサキの情熱は世界中を熱狂させ、クォーターマルチブームを再燃。発売から約6年経った現在でもその存在は唯一無二となっています。

画像: ▲Ninja ZX-25R KRT EDITION(2021年モデル)

▲Ninja ZX-25R KRT EDITION(2021年モデル)

そして、Ninja ZX-25Rの登場によって大きな注目を集めた小排気量4気筒スーパースポーツの世界に、新たに投入されたのがNinja ZX-4Rです。

Ninja ZX-10RやNinja ZX-6Rで培ったレーステクノロジーとデザインを受け継ぎつつ、フレームからエンジンまで熟成された技術を投入。実は基本コンポーネントの設計年次としては「Ninja ZX」シリーズの中でこのNinja ZX-4Rが最も新しいモデルとなっています。

画像: ▲Ninja ZX-4RR(2027年モデル)

▲Ninja ZX-4RR(2027年モデル)

長年受け継がれてきた「Ninja ZX」のレーシングDNAと、最新の設計テクノロジー。その両方が最もフレッシュな状態で融合しているからこそ、Ninja ZX-4Rは今、400ccクラスで圧倒的な存在感を放っているのです。

ライムグリーンが体現するレースのDNA

「Ninja ZX」シリーズを語るうえで欠かせないのが、その特別なカラーリング。シリーズすべてのモデルに「ライムグリーン」のカラーがラインナップされています。

画像: ライムグリーンが体現するレースのDNA

これは単なるデザインではなく「レーシングマシンと同じ遺伝子を宿している証」です。日本では緑は草や森などの「自然」というイメージですが、欧米では「不吉な色」とも言われていました。1968年にカワサキはあえてこのライムグリーンを採用し、勝利を重ねることでその常識を覆してきたという歴史があります。

現在もWorldSBK(世界スーパーバイク選手権)を戦う「Kawasaki WorldSBK Team」のマシンには、この伝統のカラーが採用されており、ひと目でサーキット直系の情熱を感じられる、カワサキならではの特別なカラーリングとなっているのです。

画像: スーパーバイク世界選手権をNinja ZX-10RRで戦う「Kawasaki WorldSBK Team」のギャレット・ガーロフ選手(アメリカ)

スーパーバイク世界選手権をNinja ZX-10RRで戦う「Kawasaki WorldSBK Team」のギャレット・ガーロフ選手(アメリカ)

現行モデルでは、鮮やかなライムグリーンをベースに、ホワイト・ブルーのアクセントが映えるグラフィックを採用。

この象徴的なレーシングカラーが、Ninja ZX-25R~Ninja ZX-10Rまですべてのシリーズモデルに与えられており、この事実からもカワサキのモノづくりに対する誠実さとこだわりが見て取れます。

ひと目で「それだ」とわかる、揺るぎないフロントマスク

フロントマスクは、そのモーターサイクルの「キャラクター」を最も雄弁に語る部分です。

「Ninja ZX」シリーズは、どのモデルの前に立っても、そこにあるのはひと目でわかる“本物の顔”。鋭く見据えるツインLEDヘッドライトと、中央に鎮座するラムエアインテーク──この象徴的なレイアウトは、シリーズ全域に脈々と受け継がれる「走りのためのデザイン」です。

あなたの走りに合わせた4つの「Ninja ZX」シリーズ

一貫したデザイン思想を持ちながらも、それぞれのモデルは独自の魅力と役割を持っています。ここでは現在ラインナップされているシリーズモデルをご紹介します。

▶Ninja ZX-10Rシリーズ

サーキットの頂点を極めるフラッグシップ

世界最高峰のレースで勝つために磨き上げられた1000ccスーパースポーツ。排気量998cc並列4気筒エンジンが生み出す圧倒的なパワーと高度な電子制御(S-KTRCやKCMFなど)システムを搭載。

強力なダウンフォースを生み出すウィングレットを装備し、コーナリング時の安定性を高めています。サーキットで究極のパフォーマンスを発揮したいライダーのためのプレミアムなフラッグシップモデルです。

▶Ninja ZX-6R

ストリートとサーキットを高次元で融合

ストリートでの扱いやすさとサーキットでの俊敏性を高次元でバランスさせた排気量636ccのミドルスーパースポーツ。

日常で使いやすい実用域のトルクと、ワインディングを気持ちよく駆け抜ける高回転域のパワーを両立しており、KTRC(カワサキトラクションコントロール)や選べるパワーモード、最新のTFTカラー液晶メーターも備え、ツーリングからサーキット走行までライダーの志向に幅広く応えてくれます。

▶Ninja ZX-4Rシリーズ

400ccクラスに解き放たれた、フルスケール・マルチ

400ccクラスの常識を塗り替えた、完全新設計の399cc並列4気筒エンジンを搭載。ラムエア加圧時には最高出力80PSを発揮し、高回転までスムーズに回る官能的な4気筒サウンドがライダーを魅了します。

軽量なトレリスフレームにSHOWA製SFF-BPフロントフォーク(Ninja ZX-4RRにはBFRC-liteリヤサスペンション)を組み合わせ、上級モデル譲りの豪華な足まわりと本格的な乗り味を実現。カテゴリーを凌駕するプレミアムモデルです。

▶Ninja ZX-25Rシリーズ

250ccクラス唯一の並列4気筒・クォーターマルチ

250ccクラスに超高回転型並列4気筒エンジンを復活させ、大きなムーブメントを起こしたパイオニア。KTRCやパワーモード、クイックシフター(SE標準装備)など上級機と同等の電子制御を搭載。

街乗りでの軽快感と、本格的な走りの歓びを気軽に味わえるライトウェイトスポーツモデルで、所有コストが最も低いこともあり、サーキットデビューにもおすすめの1台です。

所有する歓びを満たす「本物」の選択

画像: 所有する歓びを満たす「本物」の選択

ガレージのシャッターを開けた瞬間や、ツーリング先で愛車を振り返った瞬間。どの角度から眺めても、どの排気量であっても、そこには誇り高き「Ninja ZX」のシルエットがあります。

排気量によってデザインのクオリティや世界観を分けることなく、すべてに本物の「Ninja ZX」シリーズのDNAを注ぎ込む──これこそがカワサキのこだわりであり、「Ninja ZX」オーナーだけが得られる特別な満足感です。

あなたは、この熱い「Ninja ZXの系譜」の中からどの相棒を選びますか?

写真:南 孝幸/まとめ:Kawasaki Good Times Journal編集部

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