スポーツ、読書、旅行や映画鑑賞など、様々な趣味にあふれる現代において、モーターサイクル(バイク)を選ぶ理由とは何だろうか…?
そのようなことを考えていると、ふと自分自身がモーターサイクルに出会ったときのことを思い出した。
この連載では、まだ免許を持っていない主人公が、少しずつモーターサイクルの世界に惹かれていく物語をお届けする。
「いつか乗ってみたい」が心に生まれた日
休日の朝、コンビニの駐車場で見かけた一台のバイク。
ライダーはコーヒーを片手に仲間と笑顔で話し、しばらくするとエンジンをかけて走り去っていった。ほんの数十秒の出来事だったのに、なぜか印象に残った。
「ああいう休日も、楽しそうだな」
その気持ちこそが、すべての始まりだったのかもしれない。
バイクに乗っている人の多くは、最初から詳しかったわけでも、運転が得意だったわけでもない。誰もが最初は「ちょっと気になる」という小さな興味からスタートする。

SNSの向こうに見えた自由な時間
学生時代からの友人が、ある日バイクに乗り始めた。最初は特別気にしていなかった。
ところが、休日になるたびにSNSへ投稿される写真が目に入る。
海岸線に沿って続く道。 山の上から見渡す景色。道の駅で食べたというご当地グルメ。
写真の中心に写っているのはバイクなのに、なぜか目を奪われたのは景色や空気感だった。
「これ、本当に同じ日本なの?」
思わずそんなメッセージを送ると、友人は楽しそうに答えた。
「バイクに乗ると、行動範囲が一気に広がるんだよ」
その言葉が妙に心に残った。

「バイクは危ない」というイメージとの葛藤
もちろん、憧れだけではなかった。
バイクと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、「危ない乗り物」というイメージだったからだ。
家族からもよく言われる。
「気を付けないと危ないよ」
ニュースで事故を見ることもある。
だからこそ、自分には関係のない世界だと思っていた。
しかし不思議なことに、興味を持てば持つほど、別の面も見えてくる。
安全装備をしっかり身につけている人。 交通ルールを守って走るライダー。
定期的に安全運転講習へ参加する人。
モーターサイクルを長く楽しんでいる人ほど、安全を大切にしていることが少しずつ分かってきた。
危険だからやらないのではなく、リスクを理解しながら楽しむ文化がある。それは意外な発見だった。

初めてバイクショップへ足を運ぶ
ある週末。思い切って近くのバイクショップへ行ってみることにした。
買う予定はない。免許も持っていない。ただ見てみたかった。
店内にはさまざまなモデルが並んでいた。
コンパクトで軽快そうなモデル。 旅へ誘ってくれそうなアドベンチャーモデル。
存在感あふれる大型バイク。
写真で見るのとはまったく違う。金属の質感。 タンクの造形。シートの高さ。
実際に目の前で見ると、それぞれに個性がある。
緊張しながら車両を眺めていると、スタッフが声をかけてくれた。
「免許はこれからですか?」
少し恥ずかしくなりながら頷く。
すると、
「皆さん、そこから始まりますよ」
と笑顔で返してくれた。その一言で肩の力が抜けた。

バイクの魅力は速さだけではない
バイクに詳しくなるにつれ、一つの勘違いに気付いた。
それまでバイクとは、速く走る乗り物だと思っていた。しかし、多くのライダーが語る楽しみは少し違った。
季節を感じること。
知らない道を走ること。
景色の変化を楽しむこと。
おいしいものを食べに行くこと。
仲間と過ごすこと。
つまり、目的地へ早く行くためではなく、移動そのものを楽しむ文化だったのだ。
友人が以前こんなことを言っていた。
「目的地がなくても走りたくなる時がある」
当時は意味が分からなかった。でも今なら少し理解できる気がする。

自分にもできるのだろうか
興味を持ち始めると、新しい疑問も生まれる。
「運動神経が良くなくても大丈夫?」
「バイクの知識がなくても免許は取れる?」
「初心者でも楽しめる?」
調べれば調べるほど、多くの人が同じ不安を抱えていることが分かった。
実際、ライダーの年齢や職業はさまざまだ。
学生もいる。 会社員もいる。子育てを終えてから始めた人もいる。
共通しているのは、最初の一歩を踏み出したことだけだった。
誰もが初めての日を経験している。
そう考えると、少しだけ気持ちが楽になった。
「免許を取れば、自分も行けるかもしれない」
ある日の夕方。
仕事帰りに信号待ちをしていると、一台のバイクが目の前を走り抜けていった。
夕陽に照らされた車体。ライダーの背中。その向こうに広がる空。
ほんの一瞬だった。それでも心が動いた。
友人が見た景色。 SNSで見た海沿いの道。ショップで見たバイク。
それらの点が少しずつ線になっていく。
「免許を取れば、自分も行けるかもしれない」
それはまだ決意と呼べるほど大きなものではない。けれど確かな変化だった。
興味が憧れへ変わり、憧れが行動へ変わろうとしている。
バイクとの出会いとは、きっとこういうことなのだろう。

まとめ|すべては小さな憧れから始まる
バイクライフは、免許を取得した日から始まるわけではない。
誰かの楽しそうな笑顔を見た日。
美しい景色の写真に見入った日。
ショップで初めてバイクに触れた日。
そんな小さな出来事の積み重ねが、やがて大きな一歩につながっていく。
もし今、「少し気になる」と思っているなら、それは十分なきっかけだ。モーターサイクルの世界は、思っているよりずっと身近かもしれない。
そして次回、主人公はいよいよ教習所の門をくぐる。
ヘルメット選びから始まる、新しい挑戦の日々へ。
第二話「免許取得は苦難の道…?」につづく。
まとめ:Kawasaki Good Times Journal編集部
※本記事に使用しているイラストはAI生成にて作成しております。
実際に販売されているモデルとは一切関係ありません。
