「Italia, amore mio!」という特別な空間



在日イタリア商工会議所が主催する「Italia, amore mio!」は、単なる物産展ではなく、人生を謳歌するという、イタリア人の哲学「La Dolce Vita(甘い生活)」そのものを体現する空間です。
記念すべき第10回目となる今年の開催は、イタリアと日本の外交関係樹立160周年という歴史的な節目でもあり、特別な意味を持つイベントでした。
芳醇なエスプレッソや焼き立てのピッツァの香りが漂い、ステージからは陽気なライブミュージックが響き渡る会場。美しいカッティングのスーツを着こなす紳士や、最新のイタリアンファッションに身を包んだ来場者たちが行き交い、至る所で弾むような声が聞こえてきます。

▲取材前に美味しいエスプレッソでスイッチオン!

▲イタリアから来た多才なシンガーソングライター、アレッサンドロ・ベッラーティさん。ピアノ1台と美しい歌声だけで観客を魅了する情熱的なパフォーマンスを披露しました。

▲本場の味を再現した、できたてのマルゲリータやカルツォーネはとっても美味! ワインやイタリアンビール「ペローニ」なども用意され、お腹の中までイタリアを味わい尽くせるイベントでした。

▲本場の味を再現した、できたてのマルゲリータやカルツォーネはとっても美味! ワインやイタリアンビール「ペローニ」なども用意され、お腹の中までイタリアを味わい尽くせるイベントでした。

▲本場の味を再現した、できたてのマルゲリータやカルツォーネはとっても美味! ワインやイタリアンビール「ペローニ」なども用意され、お腹の中までイタリアを味わい尽くせるイベントでした。
走る芸術品・bimotaの比類なき哲学
イタリアにおいてモーターサイクルは単なる移動手段ではなく、自己表現の一部であり、日常に刺激を与える「アート」として愛されています。そんなイタリアの文化が集うこのフェスティバルにおいて、熱い視線を集めていたのがbimotaのブースでした。

▲スタッフと気軽に会話でき、マシンに跨ることができるbimotaのブース。
1972年にイタリアのエミリア・ロマーニャ州リミニで誕生したbimotaは、創業以来「至高のシャーシに、優れた量産エンジンを搭載する」という独自のフィロソフィーを貫いてきました。
現在はカワサキとの強力なパートナーシップにより、カワサキが誇る高性能エンジンに、イタリアの職人が手作業で組み上げる官能的なシャーシを融合させています。
2025年シーズンからは、『bimota by Kawasaki Racing Team (BbKRT)』としてワールドスーパーバイク選手権(World SBK)にファクトリー参戦を開始し、そのレーシングDNAを世界の最前線で力強く証明し続けています。
しかし、ここ「Italia, amore mio!」の会場で目の当たりにするbimotaは、戦うマシンとしての凄みだけでなく、ライフスタイルを彩る「走る芸術品」としての魅力を強く放っていました。
話題の3機種を展示
今回出展されたbimotaブースは、コンパクトな空間ながらも、来場者が実際にマシンに跨り、ライディングポジションを確かめることができるという非常に距離感の近い展示スタイルが採用されていました。
職人が手掛けた造形美と素材の温もりを直接肌で感じられる贅沢な空間のなかで、確かな存在感を放っていた注目の3モデルをご紹介します。

▲クロスオーバーモデルでスーパーチャージドエンジン、独特なセンターハブステアリング機構など、ひときわ異彩を放つTESI H2 TERA。
TESI H2 TERAは、カワサキZ H2をベースとしたスーパーチャージドエンジンと、bimotaの代名詞とも言えるセンターハブステアリング機構を掛け合わせた、革新的なクロスオーバーモデルです。
近くで見ると、フロントフォークを持たない独創的なステアリング構造がもたらす独特のコックピットビューに圧倒されます。
アルミ削り出しパーツとカーボンファイバーが織りなすディテールの美しさは、圧倒的な動力性能を誇りながらも、優雅なグランドツーリングを予感させる上質な仕上がりとなっていました。

▲フロントのステアリング機能とサスペンション機能を完全に分離させる「TESIシステム」。剛性感の高いハンドリングに加え、ブレーキング時のノーズダイブを抑えることで、安心感を提供してくれる。
bimota創業の地「リミニ」の名を冠した、生粋のスーパースポーツモデルであるKB998 Rimini。前述の通り、World SBKへのファクトリー参戦という世界最高峰のレース活動からフィードバックされたテクノロジーが惜しみなく注ぎ込まれています。

▲World SBKを戦った「KB998」のホモロゲーションモデルである「KB998 Rimini」。
低く構えたセパレートハンドルやタンクまわりのスリムさなどマシンの凝縮感が際立ちます。情熱的なイタリアンレッドを纏ったエアロダイナミクス・カウリングは、サーキットはもちろんのこと、公道でも周囲に与えるインパクトは大きいはず。

▲目を惹くウイングレットは電子制御による可変式で、速度やブレーキの作動状況によって角度を自動で調整。

▲モーターサイクルに乗ったことがない方や、ベビーカーを押しているお母さんも思わず「かっこいい」と感嘆の声を漏らしているのが印象的でした。
カワサキのNinja ZX-4RRをベースに、bimotaの流麗なデザインを融合したKB399 ES。
大型モデルが中心だったラインナップにおいて、より親しみやすい中型クラスの排気量帯でありながら、パーツ一つひとつの質感やハンドメイドの美しさは上位モデルに全く引けを取りません。

▲アッパー・サイド・ロア・ウイングレットに至るまで、ドライカーボン製のボディワークが採用されたKB399
ES。
跨った際の足つき性の良さや軽快感は、日常の市街地から週末のワインディングまで、bimotaをより身近な存在として楽しませてくれる1台であることを強く確信させました。2026年6月現在、日本では未発売のモデルということもあり、来場者の注目を集めるモデルでした。
情熱的なイタリアのライフスタイルと、カワサキの精緻なテクノロジー。一見すると異なる文化の結晶であるbimotaですが、「Italia, amore mio!」の華やかな空気の中にあると、その存在はこれ以上ないほど自然に風景へと溶け込んでいました。

実際に触れ、跨ることで伝わってくるのは、単に速く走るためだけでなく、所有する歓び、眺める歓び、そして人生を豊かにするためのモーターサイクルであるというメッセージです。
bimotaが紡ぎ出すAmoreに溢れたストーリーは、これからも多くのライダーの心を捉えて離さないのではないでしょうか。会場を後にしてもなお、その美しいシルエットが目に焼き付いて離れない、記憶に残るイベントでした!
文:河村大志/まとめ:Kawasaki Good Times Journal 編集部


