全日本ロードレース選手権のST1000クラスとは?

全日本ロードレース選手権は、日本国内における二輪ロードレースの最高峰の選手権です。全国各地の主要サーキットを転戦し、毎戦白熱したバトルを通じて日本一のライダーとチームを決定します。
レースは、排気量や車両規定によって、「JSB1000」「ST1000」「ST600」「J-GP3」の全4クラスに分けられており、規定の周回数をより速く周るスプリント形式がとられています。
今回ご紹介するのは「ST1000」クラス。「ST」は「ストック(Stock)」を意味していますから、私たちが街中やツーリングで見かける市販モデルに最も近い1000ccクラスの車両で競い合います。

基本的なスケジュールは、土曜日が予選、日曜日が決勝です。予選のタイムが速い順に、決勝のスターティンググリッド(スタート位置)が決まり、決勝レースでは、完走者の上位15名に対して順位に応じたポイントが与えられます(1位25pt、2位20ptなど)。
こうして全5戦を戦い抜き、最終的に最も多くのポイントを獲得したライダーおよびチームが年間チャンピオンとなります。
なお、第5戦 モビリティリゾートもてぎ大会に限り、土曜・日曜の両日で決勝が行われる「2レース制」が採用されており、各日で予選と決勝がそれぞれ実施されます。
▶JSB1000とST1000のちがい
1.マシンの改造範囲

最高峰のJSB1000クラスでは、エンジン内部や足まわりなど広範囲にわたる大幅なチューニングが認められていますが、ST1000ではエンジン内部の大規模な改造はNG。より市販車に近い状態でのレースとなるため、マシンの素性(元々のポテンシャル)がそのままタイムに直結します。

▲レース車両にはないヘッドライトがデカールで再現されています。
2.タイヤはダンロップのワンメイク

JSB1000クラスでは複数のタイヤメーカーが参入しており、各メーカーの開発競争やタイヤの性能差も勝敗を分ける重要な要素となっています。
一方、ST1000クラスは全車が指定された同じタイヤ(ダンロップ製)を使用する「ワンメイク」制が採用されています。これにより、タイヤによる性能差がなくなる完全なイコールコンディションとなるため、マシンのセッティング能力や、レース終盤までタイヤを持たせるライダーのマネジメント能力といった、純粋なマシンとライダーの実力勝負がより色濃く展開されます。
3.ライダーの腕が試される

電子制御の変更などにも厳しい制限があるため、マシンの限界を引き出すライダーのテクニックが勝敗を大きく左右します。
つまり、ST1000は「どのメーカーの市販車が一番速くて、どのライダーが一番上手いのか」を決める、非常にシンプルでごまかしの効かないバトルなのです!
▶2026シーズンでのルールの主な変更点
まずはタイヤについて。今シーズンからアジアロードレース選手権のASB1000で使用されている新型のスリックタイヤがリアに導入されます。2025年までの指定タイヤは本年中のみ、使用が可能です。
そして、2025年シーズンで上位3位に入賞していないメーカーにおいては、特別に独自の性能調整パーツの使用が認められており、Kawasaki Plaza Racing Teamのマシンにはこれが適用されます。

▲彌榮選手は#43。

▲岩戸選手は#64。
そのほか、これまでの指定ゼッケン制が廃止され、希望ゼッケン制が再び採用されたことで、選手自身が事前に申請したお気に入りのナンバーをつけて走ることができるようになりました。
今年はアツい! カワサキの参戦体制&マシンを紹介
この過酷なST1000クラスにおいて、カワサキファンの期待を一身に背負って戦っているのが「Kawasaki Plaza Racing Team」です。彼らを応援したくなる最大の理由は、ファンとレース現場との「距離の近さ」、そして「魅力あふれるチーム陣」にあります。
▶全国の「カワサキプラザ店」がバックボーン

チーム名にもある通り、このチームは全国のカワサキ正規取扱店「カワサキプラザ」ネットワークが母体となっています。私たちが普段バイクを買ったり、メンテナンスでお世話になったりしている身近なカワサキプラザ店が、全日本のトップカテゴリーで戦っているのです。ディーラーとお客様という枠を超え、まるで地元の仲間や家族の挑戦を応援するような一体感を味わえます。
▶勝利へ導く2人の熱きライダーたち
西嶋 修(にしじま おさむ)監督の指揮のもと、激戦のST1000クラスに挑むのはこのおふたり。この強力なタッグが全国のカワサキファンの想いを背負い、頂点を目指します。
#64 岩戸 亮介(いわと りょうすけ)選手

チームを牽引する絶対的エース。常日頃からレースへ真摯に向き合い、トップ争いに絡む実力と経験を兼ね備えています。ファンを魅了するアグレッシブかつ精密なライディングは必見です。
#43 彌榮 郡(みえ ぐん)選手

チームに新たな風を吹き込む若き才能。岩戸選手の背中を追いかけながら、めざましい成長を遂げている気鋭のライダーです。本チームに入ってから3年、そのフレッシュで勢いのある走りに期待が高まります。
▶マシンは空力性能が大幅アップした新型Ninja ZX-10R

岩戸選手、彌榮選手のお二人が走らせるのは、カワサキが世界に誇るスーパースポーツ・Ninja ZX-10R。
新型モデルの大きな武器となっているのが、大幅にアップデートされたエアロダイナミクスで、アッパーカウルに組み込まれた一体型のウイングレットにより、強力なダウンフォースを発生。これによりフロントタイヤの接地感が飛躍的に向上し、高速コーナーや加速時の安定性が増すのです。

また、これらにあわせてシャーシやサスペンションも見直されているので、見た目から細かい装備まで、“レースで勝ちにいくマシン”として作り上げられているのが新型Ninja ZX-10Rなのです。
そして今回のアップデート、実はライダーのふたりにとって、かなり大きなメリットになっているのだとか。その理由を、Kawasaki Plaza Racing Teamへのインタビューにて、西嶋監督ご本人からおお話を伺ったので、そちらの記事もぜひご覧ください!
ST1000クラスの開催日程
| ラウンド | 開催日程 | 開催地(サーキット) |
|---|---|---|
| 第2戦 | 4月25日(土)・26日(日) | スポーツランドSUGO(宮城県) |
| 第3戦 | 5月30日(土)・31日(日) | オートポリス(大分県) |
| 第5戦 | 8月29日(土)・30日(日) | モビリティリゾートもてぎ(栃木県)※2レース開催 |
| 第6戦 | 9月26日(土)・27日(日) | 岡山国際サーキット(岡山県) |
| 第7戦 | 10月24日(土)・25日(日) | 鈴鹿サーキット(三重県) |
※第1戦、第4戦ではST1000クラスのレースは開催されません。※第5戦(モビリティリゾートもてぎ)は、1大会で2回の決勝が行われる2レース開催となります。
ST1000クラスは、ベースとなる市販車の性能、チームのセットアップ能力、そしてライダーの限界を超越する技術が高い次元で融合しなければ勝てないシビアな世界です。
オフシーズン中、力を蓄えてきたKawasaki Plaza Racing Teamの岩戸選手と彌榮選手。このおふたりが、どのように新型Ninja ZX-10Rを乗りこなすのか、ぜひ彼らの走りに注目してみてください。会場で一緒に、グリーンのフラッグを揺らしましょう!
まとめ:Kawasaki Good Times Journal編集部
▶▶▶Kawasaki Plaza Racing Team 突撃インタビューはこちら




