現役でバリバリとスーパースポーツを乗りこなす元国際A級ライダーの太田安治さんが、現行モデルのうちクラス唯一の4気筒をもつスーパースポーツ・Ninja ZX-4RRでツーリング。まる1日、見て、乗って、気がついた本モデルのちょっぴりマニアックな魅力を詳しい解説とあわせてご紹介します!
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画像: Kawasaki Ninja ZX-4RR 2026年モデル 総排気量:399cc エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:800mm 車両重量:189kg 発売日:2025年9月1日 税込価格:121万円 ▶▶▶車両情報の詳細はこちら

Kawasaki
Ninja ZX-4RR
2026年モデル

総排気量:399cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:800mm
車両重量:189kg

発売日:2025年9月1日
税込価格:121万円

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ライダーのスポーツマインドを強烈に刺激する吸気音

画像1: ライダーのスポーツマインドを強烈に刺激する吸気音

モーターサイクルのエンジンはクランクの回転数によって吸入/排気の音量と音質が変わる。この「サウンド」に魅せられるライダーも多いが、排気音量は騒音をまき散らさないように法律で厳しく規制されているから、近年のスポーツモデルは吸気音で官能性能を高めることが一般化してきた。

Ninja ZX-4RRのエンジンは超高回転型だけに吸気音の変化量が大きい。クルージング中のスロットル開度が小さい状態での音量は抑えられているが、加速でスロットルを大きく開くと野太い音質に一変。回転上昇に伴ってエキサイティングさを増し、1万2000回転以上の高回転域では叫ぶように響く。

画像2: ライダーのスポーツマインドを強烈に刺激する吸気音

しかも外気を取り込むラムエアダクトはフロントスクリーンのすぐ下に位置していて、車体後部のマフラーから出る排気音よりも耳との距離が近いため、豪快な吸気音に包まれるというわけだ。

濁りのない澄んだ音のまま、エンジンの回転数とスロットル開度に応じて唸るような低音から叫ぶような高音へと変化するのは等間隔爆発の4気筒エンジンならでは。Ninja ZX-4RRの目に見えない魅力だ。

ストリートユースにもマッチするクイックシフター

シフトのアップ/ダウン操作をアシストするのがクイックシフター。もともとはロードレースシーンでスロットルとクラッチの操作によって生じるタイムロスを減らすための装置で、初期のクイックシフターはシフトアップ時のみ作動した。しかし近年ではシフトダウン時にブリッピング(瞬間的にエンジン回転数を上げる)する機能を備えてシフトダウンにも対応し、発進/停止時以外はクラッチレバー操作不要の車種が徐々に増えている。

Ninja ZX-4RRには「KQS(カワサキクイックシフター)」と名付けられたシフトアップ/ダウン両対応のクイックシフターが標準で装備されている。

画像: ストリートユースにもマッチするクイックシフター

加速時はスロットルを開けたままシフトペダルを上げることで瞬間的に点火をカットして駆動力を抜き、素早くスムーズにシフトアップ。逆に減速時はスロットルを閉じたままシフトペダルを踏み込むだけで自動的にブリッピングが入って車体の挙動を乱さずにシフトダウンできる。

スポーツライディングで威力を発揮することは言うまでもないが、2500回転以上で動作するから、ストリートライディングでの負担も大きく減らしてくれる。

角度調整が簡単なデテント機構内蔵のバックミラー

画像1: 角度調整が簡単なデテント機構内蔵のバックミラー

カウリングに固定されたタイプのバックミラーは、ミラーアームが前側にも後ろ側にも畳めるものがほとんど。壁際に駐車するときや駐輪場などで隣の車両との間隔が狭いときに接触を防げる便利な構造だが、乗車後にはアーム位置を戻して角度を調整する必要がある。

しかしカウリングミラーはライダーから遠い位置にあるため乗車姿勢を取ったまま手を伸ばして調整することが難しく、おおよその見当を付けてアーム位置を合わせ、乗車姿勢を取ってミラーの後方視界を確認。合っていなければ再びアームやミラー面の角度を調整する。作業自体はごく簡単だが、何度も繰り返すと地味にストレスが溜まるのも事実だ。

画像2: 角度調整が簡単なデテント機構内蔵のバックミラー

Ninja ZX-4RRのミラーはカウル側のベースとアームの角度が適正な位置になると「カタッ」というクリック感と共に止まるデテント機構を備えていて、アーム部を倒す/起こすという動かし方なら面倒な再調整は不要。走行風圧や振動でアームが動くこともない。

逆に一定以上の力が加わると固定位置から外れて軽い力でアームが動くので、衝突や接触、転倒時にミラーが破損しにくいこともメリットだ。

制動力とコントロール性に優れたデュアルディスク

現在の400cc以下のロードスポーツモデルは、ディスクプレート1枚の「シングルディスク」ブレーキが主流だが、Ninja ZX-4RRには「デュアルディスク」が装備されている。

画像: 制動力とコントロール性に優れたデュアルディスク

ディスクブレーキはブレーキパッドがディスク板を挟み込む摩擦で制動力を生み、回転(運動)エネルギーを熱エネルギーにして大気中に放出するが、摩擦熱でディスク板やパッドの温度が上がり過ぎると制動力が急低下する「フェード現象」を起こすことがある。

ディスク板が2枚なら熱容量が増えて耐フェード性が上がり、パッドとディスク板の摩擦面積が大きくなることで制動力自体も高まる。Ninja ZX-25Rがシングルディスク、Ninja ZX-4RRがデュアルディスクなのは両車の動力性能に合わせた結果だ。Ninja ZX-25Rのディスク板は外径310mmだが、Ninja ZX-4RRは単にダブル化するのではなく、外径を290mmに小径化して重量増によるハンドリングへの影響を抑えている。

さらにモノブロックキャリパーは剛性が高く、レバーへの微妙な入力に忠実に反応するから、車体バンク角が深いときのデリケートなコントロールもやりやすい。

ハイエンドモデル同等の動きと調整機構を持つ前後サスペンション

文字どおりスポーツ性能と快適性を「支える」のが前後サスペンション。Ninja ZX-4RRのサスペンションは前後ともSHOWA製で、フロントのインナーチューブ径37mm倒立フォークはスプリングプリロードの調整が可能。

リヤにはカワサキのフラッグシップスーパースポーツモデルであるNinja ZX-10Rにも装着されているBFRC-liteを採用しており、スプリングプリロードに加えて圧側(縮み側)と伸び側の減衰力を個別に調整できるという贅沢なユニットを装備している。

となると「サーキット走行に適した硬めの設定」を想像するが、標準セッティングは意外なほどコンフォート指向。ストローク初期の動きが抜群にスムーズなこともあって、スーパースポーツモデルとは思えないほどストリートでの乗り心地がいい。

画像: ハイエンドモデル同等の動きと調整機構を持つ前後サスペンション

それだけに「急」の付く操作が多いスポーツライディングでは車体の姿勢変化が大きく感じられるが、プリロードを強めるだけでシャキッとした動きに変わる。フロントはプラスドライバー、リヤはフックレンチで調整できるから、ライダーの体重、走行ペース、好みに合わせる楽しみもある。

文:太田安治/写真:南 孝幸/まとめ:Kawasaki Good Times Journal 編集部

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