スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)の2026年シーズンが、2月21日~22日にオーストラリア・フィリップアイランドで開幕。熟成を極めたNinja ZX-10RRで王座奪還を狙うKawasakiと、昨シーズン約25年ぶりの復活を果たし、2年目の飛躍を誓うイタリアの名門・bimota。本記事では、WorldSBKの基礎知識からKawasaki・bimotaの参戦体制、そして日本からの視聴方法までを徹底解説。レースファンの方はもちろん、「まだルールがよく分からない」という方にも、2つの強力なブランドが世界に挑む熱い戦いの魅力を余すところなくお伝えします。

「WorldSBK」とは? MotoGPとのちがいと独自の魅力を紹介

「日曜に勝って、月曜に売る(Win on Sunday, Sell on Monday)」。これがWorldSBKを象徴する言葉です。MotoGPがレース専用のプロトタイプマシンで競うのに対し、WorldSBK(スーパーバイク世界選手権)は「公道を走れる市販車」をベースに、高度なチューニングを施したマシンで競います。

1. 市販車の「顔」はそのままレース!

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レース車には不要なヘッドライトですが、WorldSBKでは市販車のアイデンティティであるフロントマスクを維持するため、ヘッドライトのデザインをステッカーで再現することが義務付けられています。サーキットを時速300km以上で駆け抜けるマシンが、自分の愛車と同じ“顔”をしている。この親近感こそが最大の魅力です。


2. 徹底されたイコールコンディション

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特定のメーカーだけが独走しないよう、厳しいレギュレーションで性能調整が行われています。タイヤはイコールコンディションの観点から使用できるタイヤが統一されています(2025年はピレリ製。なお、2027年シーズンからはミシュランへ変更予定とのこと)。マシンの素性はもちろんですが、ライダーの腕とチームの戦略が勝敗を大きく左右するのです。


3. 週末に3回も決勝がある! 独自のレースフォーマット

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決勝レース初日の土曜日には、長距離の「レース1」。日曜日には、わずか10周程度で競い合う超スプリント戦の「スーパーポールレース」とレース1と同じロングレースの「レース2」が開催されます。

各レースでゴールしたランキング順に多くのポイントを得ることができ(例えばレース1、レース2の優勝者には25pt、スーパーポールレースの優勝者には12ptが与えられます)、シーズン終了までに、より多くのポイントを獲得したライダーとメーカーが勝利となります。

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特にスーパーポールレースの結果(上位9名)は、午後のレース2のスターティンググリッド(スタート位置)に反映されるため、より有利な位置を確保しようと、スタートからゴールまでアクセル全開の激しいバトルが展開されます。しかし、攻めすぎて転倒すれば、メインのレース2に響くリスクもあります。

ポイントとグリッド順、そしてマシンの保全……ギリギリの判断が求められるスリリングな展開は見逃せません。


4. メーカーの威信をかけた国歌斉唱

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そして見事、表彰台に輝くと、MotoGPと同じくライダーの国歌が流れるのに加え、車両メーカーの国歌も流れるため、メーカー対抗の代理戦争としての側面も色濃く感じられるのです。ライダーだけでなく、メーカー同士もしのぎを削っているバチバチの戦場が、観客を熱狂の渦に巻き込む理由のひとつなのです。

Kawasakiとbimota 参戦の歴史

画像: ▲1993年のWorldSBK。ライダー:スコット・ラッセル選手/マシン:ZXR750R

▲1993年のWorldSBK。ライダー:スコット・ラッセル選手/マシン:ZXR750R

Kawasakiのスーパーバイクにおける歩みは、まさに果敢な挑戦と、圧倒的な勝利の連続でした。

その歴史は1993年、名チューナーのロブ・マジーと共に参戦したスコット・ラッセル選手が、ZXR750Rで参戦初年度にしてチャンピオンを獲得し、Kawasakiに初タイトルをもたらしたことから始まります。

その後もNinja ZX-7RRが世界各地で活躍し、WorldSBKでは日本の柳川明選手が1997年から1999年にかけて優勝3回を含む多数の表彰台を獲得。2000年には全日本ロードレース選手権で井筒仁康選手が見事チャンピオンに輝き、同年のWorldSBK・日本大会でも優勝を果たすなど、その高いパフォーマンスを世界に証明しました。

画像: ▲ライダー&マニュファクチャラーズタイトル6連覇を遂げた2020年のKawasaki Racing Team記念写真。

▲ライダー&マニュファクチャラーズタイトル6連覇を遂げた2020年のKawasaki Racing Team記念写真。

そして2013年、前年に僅差でタイトルを逃したトム・サイクス選手が、雪辱を期してNinja ZX-10Rと共に躍動。シーズン9勝を挙げ、Kawasakiに20年ぶりとなる悲願のタイトルをもたらします。

さらに2015年に加入したジョナサン・レイ選手は、Ninja ZX-10R/RRのポテンシャルを極限まで引き出し、2015年から2020年にかけて前人未到の6年連続ライダー&マニュファクチャラーズタイトルを獲得。

最多勝利数や連続表彰台記録など数々の金字塔を打ち立て、「グリーン・レジェンド」として一時代を築きました。

画像: Kawasakiとbimota 参戦の歴史

2025年、Kawasakiはイタリアの「bimota」とのパートナーシップ締結を機に、新たな挑戦を決断しました。
今までのKawasaki Racing Team(KRT)を母体とした「bimota by Kawasaki Racing Team」を始動させ、Kawasakiの強力なエンジンと、bimotaが設計する独創的なシャシーを組み合わせたKB998 Riminiで、ファクトリー体制で参戦することにしました。

一方、Ninja ZX-10RRはオフィシャルチームであるKawasaki WorldSBK Teamに託し、BbKRTと切磋琢磨しながら、世界の頂点を目指します。

bimotaがサーキットでの活躍を前提に仕上げたKB998 Riminiと、公道とサーキットの両立を図ったNinja ZX-10RR。
Kawasakiは今シーズン、異なる2つのアプローチで世界の頂点を狙います。

2026年 WorldSBK 参戦チーム&マシン徹底解説

Kawasaki WorldSBK Team(カワサキ・ワールドスーパーバイク・チーム)

画像1: Kawasaki WorldSBK Team(カワサキ・ワールドスーパーバイク・チーム)

Kawasakiの名を背負い、Ninja ZX-10RRで戦うチームです。

■ 参戦ライダー:#31 ギャレット・ガーロフ選手

画像2: Kawasaki WorldSBK Team(カワサキ・ワールドスーパーバイク・チーム)

アメリカ出身の実力派ライダー。高い適応能力を持ち、プライベーター時代から何度も表彰台を獲得してきた速さが武器。

■ 参戦マシン:Kawasaki Ninja ZX-10RR/ベースとなる市販車:Ninja ZX-10R

画像3: Kawasaki WorldSBK Team(カワサキ・ワールドスーパーバイク・チーム)

幾多のタイトルを獲得し、スーパーバイクの代名詞とも言える存在です。最大の特徴は、レースの現場で鍛え上げられた並列4気筒エンジンと、それを支えるフレームの絶妙なバランス。

2026年モデルでは、新設計の大型ウイングレットを装備し空力性能を飛躍的にアップ。従来モデルから排出ガスを減らしつつもスロットルのレスポンスが高められ、どんなコンディションでも速さを発揮する「オールラウンダー」として高い完成度を誇っています。


bimota by Kawasaki Racing Team(ビモータ・バイ・カワサキ・レーシング・チーム)

画像: bimota by Kawasaki Racing Team(ビモータ・バイ・カワサキ・レーシング・チーム)

長年Kawasakiのファクトリーチームとして常勝軍団を築き上げたKawasaki Racing Teamが運営する、bimotaのファクトリーチーム。参戦2年目を迎え、チームの結束とマシンの熟成度は最高潮に達しています。

■ 参戦ライダー:#22 アレックス・ロウズ選手、#47 アクセル・バッサーニ選手

画像: ▲(左から)アレックス・ロウズ選手とアクセル・バッサーニ選手。

▲(左から)アレックス・ロウズ選手とアクセル・バッサーニ選手。

アレックス・ロウズ選手は、Kawasaki時代からチームを支えるベテランライダー。昨シーズンの経験を活かし、タイトル争いに絡む走りが期待されます。アクセル・バッサーニ選手は、アグレッシブな走りが持ち味のイタリアンライダー。母国ブランドのマシンと共に、さらなる飛躍を誓います。

■ 参戦マシン:bimota KB998 Rimini/ベースとなる市販車:KB998 Rimini

「走る芸術品」として世界中のファンに知られるbimotaが、レースに勝つために生み出し、2025年にデビューさせた野心作です。心臓部にはKawasaki製のNinja ZX-10RRエンジンを搭載しながら、骨格にはbimotaのアイデンティティであるトレリスフレームとアルミ削り出しプレートを組み合わせた複合フレームを採用しています。

一見してわかる巨大なウイングレットや、イタリアンデザイン特有の有機的なカウル造形は見る者を惹きつけます。デビューイヤーのデータを元にさらなる改良が加えられた今シーズン、その速さは脅威となることでしょう。

【Pickup】激戦のWorldSSP(ワールドスーパースポーツ)にも注目!

画像: ▲(左から)#77 ドミニク・エガーター選手、#52 ジェレミー・アルコバ選手。

▲(左から)#77 ドミニク・エガーター選手、#52 ジェレミー・アルコバ選手。

WorldSBKと併催されるミドルクラス「WorldSSP(スーパースポーツ世界選手権)」も見逃せません。今シーズンは、昨年からWorldSSPに参戦して表彰台も獲得したジェレミー・アルコバ選手に加えて、WorldSSPとMotoE世界選手権にてチャンピオンに輝き、WorldSBK・Moto2クラスへの参戦経験も持つ実力者、ドミニク・エガーター選手も新たに参戦します。

熟練のテクニックを持つエガーター選手が、高回転まで回るNinja ZX-6Rをどう操り、ライバルたちを攻略するのか。WorldSBKクラス同様、こちらの戦いからも目が離せません!

2026年 WorldSBK 開催スケジュール

2026年は新設されたハンガリー・バラトンパークを含む、全12戦で争われます。

ラウンド開催日大会名(開催地)
第1戦2月20日 - 2月22日オーストラリア(フィリップアイランド)
第2戦3月27日 - 3月29日ポルトガル(ポルティマオ)
第3戦4月17日 - 4月19日オランダ(アッセン)
第4戦5月1日 - 5月3日ハンガリー(バラトンパーク)
第5戦5月15日 - 5月17日チェコ(モスト)
第6戦5月29日 - 5月31日スペイン(アラゴン)
第7戦6月12日 - 6月14日イタリア(ミサノ)
第8戦7月10日 - 7月12日イギリス(ドニントンパーク)
第9戦9月4日 - 9月6日フランス(マニクール)
第10戦9月25日 - 9月27日イタリア(クレモナ)
第11戦10月9日 - 10月11日ポルトガル(エストリル)
第12戦10月16日 - 10月18日スペイン(ヘレス)

日本からも応援できる! レースの視聴方法はこちら

世界最高峰の市販車レースを日本で視聴するには、以下の方法がおすすめです。

J SPORTS(ジェイ・スポーツ)WorldSBKの放送実績が豊富で、日本語実況・解説付きでレースを楽しめます。BS放送、ケーブルテレビのほか、オンデマンド配信(J SPORTSオンデマンド)ならスマホやPCからも視聴可能です。

WorldSBK VideoPass(公式サイト)全セッションを完全網羅。英語実況となりますが、フリー走行から予選、決勝まで、余すことなく楽しみたい方におすすめです。

画像: 日本からも応援できる! レースの視聴方法はこちら

今シーズンは、新型を投入するKawasaki Ninja ZX-10RRと、2年目の進化を遂げたbimota KB998 Rimini。この2台が世界のサーキットでどのようなドラマを見せてくれるのか、期待が高まります。

レースでの熱い走りに魅了されたら、Ninja ZX-10R/RR(2026年夏ごろ発売予定)はカワサキプラザ、bimota KB998 Riminiはbimota正規取扱店で、そのDNAを受け継ぐ実車もチェックしてみてください!

※店頭在庫状況は店舗によって異なります。在庫の有無は各店舗にお問い合わせください。カワサキプラザ紹介・店舗検索はこちら、bimota正規取扱店・店舗検索はこちら

まとめ:Kawasaki Good Times 編集部

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