アルファベットの最後の文字である「Z」。そこには、「これ以上のものはない」「究極」という意味が込められています。1972年の衝撃的なデビューから半世紀以上。カワサキの「Z」は、単なるモーターサイクルのブランド名を超え、ライダーたちの憧れや情熱の象徴として走り続けてきました。Zの伝説がいかにして始まり、現代へと受け継がれてきたのか。数あるシリーズモデルの中から、特にアイコニックな6台のモデルをピックアップして紹介します。

1972年 伝説の幕開け・900 super4(Z1)

画像: Kawasaki 900 super4(Z1) 1972年・輸出車 総排気量:903cc エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒 乾燥重量:230kg

Kawasaki
900 super4(Z1) 
1972年・輸出車

総排気量:903cc
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒
乾燥重量:230kg

「世界最高」を目指した、永遠のマスターピース

作戦名は「ニューヨークステーキ」。北米市場へ「最上級の料理(=モーターサイクル)を提供する」という決意のもと誕生したのが、初代Z1(900 super4)です。

かつての500 MACH III(H1)を超える「究極」を目指したその車体には、クラス初となる空冷DOHC並列4気筒エンジンを搭載。最高出力82PSを発揮するパワーユニットには、高回転・高出力に耐えうる組立式のクランクシャフトが採用され、カムシャフトと共に高品質なクロモリ素材が惜しみなく使用されました。

発表翌年の1973年には、FIM公認の「24時間耐久世界最速記録」に挑戦し、24時間で2631.402mile(約4235km)を走破。平均109.641mile/h(約176.4km/h)で走行するという新記録を樹立し、瞬く間に「世界最速」の座を手中に収めたのです。

また、「スリム、スリーク(滑らか)、セクシー」の“3S”を掲げた美しいスタイリングも魅力のひとつ。流麗なティアドロップタンクや「火の玉」カラーは、現在に至る「Z神話」の原点として、今なお色褪せない輝きを放っています。

1973年 日本人のためのZ・750RS(Z2)

画像: Kawasaki 750RS(Z2) 1973年 総排気量:746.3cc エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒 乾燥重量:230kg 発売当時価格:41万8000円

Kawasaki
750RS(Z2)
1973年

総排気量:746.3cc
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒
乾燥重量:230kg

発売当時価格:41万8000円

国内ライダーを熱狂させた「ナナハン」の金字塔

Z1の登場に沸く海外市場に対し、国内の排気量自主規制(当時は750cc上限)に対応すべく投入されたのが「750RS」、通称「Z2(ゼッツー)」。モデル名のRSは「ロードスター」を意味しています。

本モデルは、単にZ1から排気量を縮小したのではなく、ボア64mm×ストローク58mmというZ2専用のショートストローク・エンジン設計を採用することで、高回転域まで鋭く吹け上がる、Z2ならではの官能的なエンジンフィーリングを実現。

さらに、ストップ&ゴーの多い日本の交通事情や、起伏に富んだワインディングロードに合わせて、キャブレターのセッティングや二次減速比も最適化されました。

Z1譲りの堂々たるフルサイズボディに、日本の道を走り抜けるための緻密なチューニングが施されたZ2は、当時の若者たちの憧れの的でした。

1978年 “角Z”の誕生・Z1-R

画像: Kawasaki Z1-R 1978年・輸出車 総排気量:1015cc エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒 シート高:815mm 乾燥重量:246kg

Kawasaki
Z1-R
1978年・輸出車

総排気量:1015cc
エンジン形式:空冷4ストロークDOHC2バルブ並列4気筒
シート高:815mm
乾燥重量:246kg

世界を魅了した、至高のカフェレーサー

1970年代後半、マシンの高性能化が進む一方で、デザインに対する要求も新たな高まりを見せていました。そこでカワサキが満を持して放ったのが、メーカー純正のカフェレーサースタイルを纏った「Z1-R」です。

最大の特徴は、ビキニカウルからタンク、シートカウルへと一気通貫する、定規で引いたような直線基調のスタイリング。それまでの有機的な曲線美を持つZとは一線を画す、氷のようなクールな美しさがそこにはありました。

この「角Z」と呼ばれるスタイルは、当時の若者文化とも深く共鳴し、爆発的なブームに。Z1-R登場の翌79年には、その流れを汲んだスタンダードモデルのZ1000Mk.IIが登場。カフェレーサーのZ1-Rに対し、無骨さを極めたZ1000Mk.IIの登場によって、Zが持つ「強さ」のイメージは不動のものとなったのです。

そして、その影響は国内の中型車市場にも波及します。同年、クラス初となるDOHC4気筒エンジンを搭載したZ400FX(通称:フェックス)が登場。Z1-RやZ1000Mk.IIの遺伝子を受け継ぐ直線基調のボクシーなデザインは、多くの中型免許ライダーたちに衝撃と憧れを与えました。

2003年 鮮烈なる復活・Z1000

画像: Kawasaki Z1000 2003年・輸出車 総排気量:953cc エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:820mm 乾燥重量:198kg

Kawasaki
Z1000
2003年・輸出車

総排気量:953cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:820mm
乾燥重量:198kg

「Z」を再定義した、新時代のスーパーネイキッド

空冷Zの時代を経て、21世紀。全く新しいスタイリングを纏った「Z」の名が再び世界を驚かせました。ハイパフォーマンスな走りとアグレッシブなデザインを融合させた、リッタークラスのストリートファイター・Z1000の登場です。

エンジンはスーパースポーツモデルであるNinja ZX-9Rをベースとして開発された排気量953ccの水冷並列4気筒で、車体はすべて新設計。Z1を象徴する4本出しマフラーを現代的なデザインへと昇華させたそのスタイリングからは、「懐古主義ではなく、常に最新こそがZである」というメッセージが感じられます。

発売当時(2003年)は輸出専用モデルとして日本仕様車はありませんでしたが、逆輸入車として日本でも販売されていました。そして2017年4月、ついに国内モデルが新発売。現代へと続く「Sugomi」デザインの系譜がここから始まるのです。

2018年 伝統と革新の融合・Z900RS

画像: Kawasaki Z900RS 2018年 総排気量:948cc エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:800mm 車両重量:215kg 発売日:2017年12月1日 発売当時価格:129万6000円~132万8400円

Kawasaki
Z900RS
2018年

総排気量:948cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:800mm
車両重量:215kg

発売日:2017年12月1日
発売当時価格:129万6000円~132万8400円

操る悦びを追求した、モダンクラシックの真骨頂

「Z1の再来」──そう呼ばれるにふさわしい美しいスタイリングを纏いながら、中身は最新のテクノロジーで武装したレトロスポーツ・Z900RS。

Z900をベースに低中速域のトルクを重視した排気量948cc水冷並列4気筒エンジンを搭載しており、完全新設計のトレリスフレームや倒立フロントフォークとあわせて、軽快かつ自然なハンドリングが魅力です。

一方、外観には、ティアドロップフューエルタンクやテールカウル、空冷フィンを模したシリンダーヘッドなど、随所にZ1へのオマージュが込められており、時代を超えて愛されるスタイリングを実現しています。

エキゾーストサウンドも注目ポイントのひとつで、カワサキ初となる音響解析によるサウンドチューニングが施され、低く野太い、迫力のあるエキゾーストノートを奏でます。

2026年モデルでは登場以来初となるフルモデルチェンジを受け、好評のスタイリングを維持しつつも、乗り味や各部装備が大きく進化しました。現代のクラフトマンシップによって「Z」の魂を再構築したこのモデルは、ストリートからツーリングまで、あらゆるシーンで乗り手の感性と響き合う、色褪せることのない一台となっています。

2020年 新時代の幕開け「究極」のZ・Z H2

画像: Kawasaki Z H2 2020年 総排気量:998cc エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:830mm 車両重量:240kg 発売日:2020年4月4日 発売当時価格:189万2000円

Kawasaki
Z H2
2020年

総排気量:998cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:830mm
車両重量:240kg

発売日:2020年4月4日
発売当時価格:189万2000円

スーパーチャージドエンジンが拓く、未知なる領域

カワサキが誇るスーパーチャージドエンジンを搭載した、シリーズのフラッグシップモデル・Z H2。スーパーネイキッドの新たな可能性を切り拓くモデルとして、2020年4月に発売されました。

パワーユニットには、カワサキ独自の技術を結集した「バランス型スーパーチャージドエンジン」を採用。排気量998ccの水冷並列4気筒エンジンは、最高出力200PSという圧倒的なパワーを発揮しながらも、全域で意のままに扱える出力特性を実現しています。

外観には「Sugomi」デザインを色濃く反映。スーパーチャージャーの存在を象徴するエアインテークダクトや、あえてエンジンを見せるレイアウトが、視覚的にもそのポテンシャルを物語っています。また、トラクションコントロール(KTRC)やクイックシフター(KQS)、エレクトロニッククルーズコントロールなど、ライダーをサポートする最先端の電子制御技術も惜しみなく投入されました。

Zシリーズの最高峰として誕生したZ H2。圧倒的な動力性能と、快適性・操縦性を高次元で融合させたこのモデルは、ストリートからツーリングまで、ライダーに未体験の興奮と感動をもたらす、まさに革新的な一台です。

現行のZシリーズ

歴史的な名車だけでなく、現在もZの世界は広がり続けています。ライフスタイルやスキルにあわせて選べる、多彩な現行Zファミリーをご紹介します。(2026年2月現在)

Z H2 / Z H2 SE
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Z1100 / Z1100 SE
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Z900 / Z900 SE
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Z900RS Black Ball Edition / Z900RS CAFE / Z900RS SE
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Z650
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画像: Z650

Z650

Z650RS
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画像: Z650RS

Z650RS

Z7 Hybrid
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画像: Z7 Hybrid

Z7 Hybrid

Z400
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画像: Z400

Z400

Z250
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画像: Z250

Z250

Z125 PRO
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画像: Z125 PRO

Z125 PRO

Z e-1
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画像: Z e-1

Z e-1

受け継がれる「Z」の魂

1972年のZ1誕生から半世紀以上の時が経ちました。時代とともにカタチやメカニズムは変わりましたが、そこには常に「挑戦」と「操る楽しさ」という変わらぬDNAが流れています。

過去を敬いながらも、常に未来を見据えて進化を続けるカワサキの「Z」。あなたもぜひ、お近くのカワサキ正規取扱店で、その歴史と進化を肌で感じてみてください。

まとめ:Kawasaki Good Times 編集部

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