
Kawasaki
ELIMINATOR
2026年モデル
総排気量:398cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:735mm
車両重量:176kg
発売日:2025年7月15日
税込価格:85万8000円
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ELIMINATORと過ごした1カ月は、驚きの連続でした。 初対面のときは、そのロー&ロングなスタイリングから「ゆったり流すためのバイク」だと思っていました。しかし、実際に毎日をともにしてみると、通勤の渋滞も、休日のワインディングも、そして高速道路を使ったロングツーリングも、すべてのシーンを涼しい顔でこなしてしまうのです。
気負わずに乗れて、眺めても美しく、走りもエキサイティング。そんなELIMINATORと暮らして、私がとくに「いいな」と感じた10の魅力をお伝えしたいと思います。
高速道路の巡航が得意で、遠出も快適

400ccクラス、しかもアップライトなポジションのクルーザーで高速道路は辛いのでは? と思うかもしれません。しかし、ELIMINATORはその予想をいい意味で裏切ってくれました。 ホイールベースが長く重心が低いため、直進安定性がすこぶる高いのです。
横風を受けてもふらつきにくく、どっしりと路面を捉え続けてくれます。並列2気筒エンジンはNinja 400譲りの高回転まで回るユニットをベースとしていますが、クルージング中の振動はうまく抑えられており、不快な微振動で手が痺れるようなこともありませんでした。これなら、長時間走行も苦にならないと感じました。

▲ETC車載器がシートの下に標準装備されています。400cc以下のモデルで標準装備されている現行車は、国内メーカーではカワサキのELIMINATORシリーズのみです。
足つきがよく、絶対的な安心感がある

シート高:735mm
ライダーの身長・体重:175cm・70kg

シート高:735mm
ライダーの身長・体重:175cm・70kg
シート高は735mm。身長175cmの私の場合、両足が膝に余裕のある状態でべったりとつきます。この「絶対的な安心感」こそが、ELIMINATORの最大の武器かもしれません。
信号待ちや渋滞でのストップ&ゴー、あるいは傾斜のある場所での駐車など、足つきが悪いとストレスになる場面でも、ELIMINATORなら心に余裕が持てます。それが安全運転にも繋がるのだと実感しました。

▲私の場合は、両手をハンドルから放した状態でも不安はありませんでした。ツーリング中のリフレッシュもしやすく、どのような場面でも足つきのよさは大きな利点だと感じました。
取りまわしがしやすい

見た目は堂々としたクルーザースタイルですが、跨ってみると燃料タンクまわりが驚くほどスリムで、車両重量も176kgと軽量です。
ガレージからの出し入れや、出先での駐輪、狭い路地でのUターンなどが億劫になりません。重心が低いおかげで、グラッとくる恐怖感も少ないため、人力での押し引きも想像以上に軽快です。「これなら日々付き合える」と思わせてくれる扱いやすさがあります。
加速力・制動力が絶妙

スロットルをひとひねりすれば、水冷並列2気筒エンジンが力強く車体を押し出します。低中速域のトルクが太く、街中での発進加速は非常にキビキビとしています。最高出力は35kW(48PS)/10000rpmですが、街中は5000rpmも回さず充分にパワフルさを感じながら走れます。
一方で、ブレーキのタッチも素直で扱いやすい印象です。握った力に応じて的確に制動力を発揮してくれます。取りまわしの際に慎重になるほど利きすぎるわけでもありません。多くのライダーが数時間乗れば、制動力の感覚を身体で覚えられると思います。
またリアブレーキを積極的に使って車体を安定させながら減速するような、クルーザーらしい走り方にもしっかりと応えてくれます。加速と減速、このコントロールのしやすさが走りの楽しさを倍増させています。
スポーツ走行をしっかり楽しめる

「クルーザー=曲がらない」という定説は、ELIMINATORには当てはまりません。ハンドリングは非常にニュートラルで、ライダーが視線を向ければ自然とそちらへ曲がっていく素直さがあります。
ステップ位置も絶妙で、見た目以上にバンク角が確保されているため、ワインディングロードでもスポーツモデルのようにリズミカルにコーナーをクリアしていけます。ニーグリップ、かかとのホールドもしやすくて、車体との一体感を得やすいのも特長です。
ギアを落としエンジンの高回転域を使えば、胸のすくような加速感も味わえ、スポーツマインドもしっかり満たしてくれました。
街乗りがとにかく楽

毎日の通勤でも使用しましたが、街乗り適性は抜群です。視界が広く、周囲の状況を把握しやすいアップライトなポジション。ミラーがほんの少しの視線移動で見られるのも美点です。
そして何より、アシスト&スリッパークラッチのおかげでクラッチレバーが驚くほど軽いのです。渋滞に巻き込まれても左手の疲労は最小限で済みます。
スリムな車体は安全性にも貢献。都市部の交通環境でもストレスフリーで駆け抜けられます。シートの低さは発進・停止時の心のゆとりを生むとともに、乗り降りのしやすさにも繋がっています。頻繁な乗り降りが億劫にならないというのは、街乗りにおいては重要なファクターです。

▲クラッチレバーは人差し指だけでも切れるほど軽々。
夜間や悪天候でも安心

丸型ヘッドライトはクラシカルな見た目ですが、中身は最新のLED。光量は充分で、夜道の視認性は非常に高いです。
また、雨天時の走行でも、低重心で長いホイールベースがもたらす安定感が心強い味方になります。路面状況が分かりやすいサスペンションとタイヤのマッチングもあり、ウェット路面でも不安なく走ることができました。どんな天候でも頼れる相棒です。
街中では同じELIMINATORシリーズを見かけることが多々ありました。テールランプまわりにボリューム感があり、後方からの視認性も抜群。とくに今回ともに過ごした2026年モデルの「パールラヴァオレンジ」カラーは、遠くからでも認知されやすく、安心感があります。

▲横に長い個性的な形状のテールランプ。写真はハザードランプとブレーキランプを点灯した状態です。
写真を撮るのが楽しい

ロー&ロングの美しいプロポーションは、どこに置いても絵になります。都会のビル群を背景にすればクールに、海沿いの道に停めれば旅情感たっぷりに。
燃料タンクの曲線や、リアフェンダーの造形など、見る角度によって表情が変わるのも面白いところです。ツーリング先で、ついヘルメットを脱いでカメラを構えたくなります。そんな「所有する喜び」を視覚的にも満たしてくれる一台です。

▲リアビューも美しいELIMINATOR。お気に入りの角度を探すのも楽しかったです。
カスタムの夢がふくらむ



1カ月乗っている間に、「ここをこうしたい」という妄想が膨らみました。 例えば、高速道路を多用するならSEモデルに装備されているようなヘッドライトカウルを付けたいですし、積載性を上げるためにリアキャリアも欲しいところです。タンデムを楽しみたい方はグラブバーを装着するのもいいでしょう。
カワサキ純正アクセサリーはもちろん、各社からさまざまなパーツが出ているため、自分だけの一台に仕上げていく楽しみがあります。ベース車両がシンプルだからこそ、カスタムのキャンバスとしても優秀です。

▲純正アクセサリーパーツの一例|冬場もツーリングを楽しみたいという人におすすめなグリップヒーター。

▲純正アクセサリーパーツの一例|「USBソケット タイプC」はハンドル右側に装着可能です。
毎日乗りたくなる

結局のところ、これが一番の魅力です。「今日はちょっと乗るのが面倒だな」と思わせるネガティブな要素がありません。
気軽に乗れるサイズ感、ノンストレスな足つき、そして走れば楽しいエンジン、軽快なハンドリング。スーパーへの買い物から、ふらっと海を見に行くツーリングまで、どんな目的でも「ELIMINATORで行こう」と思えるのです。
1カ月間、私は隙あればこのモーターサイクルに跨っていました。 日常に寄り添い、生活を豊かにしてくれる。ELIMINATORはそんな最高のパートナーでした。
まとめ

1カ月という期間、ELIMINATORと過ごしてみて分かったのは、このモーターサイクルが特定の層だけでなく、ビギナーからベテランまで、あらゆるライダーを受け入れる懐の深さを持っているということです。
もしあなたが、日常使いもツーリングも楽しみたい、そして何より「格好いい相棒」を探しているなら、ぜひ一度ELIMINATORに触れてみてほしいと思います。きっと、走り出した瞬間にその魅力の虜になるはずです。
文:西野鉄兵/写真:関野 温、Kawasaki Good Times 編集部、Kawasaki



