「KLX140R L」はどんなモーターサイクル?

Kawasaki
KLX140R L
2026年モデル
総排気量:143cc
エンジン形式:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒
シート高:800mm
車両重量:95kg
発売日:2025年12月1日
税込価格:46万4200円
オフロードの楽しさを凝縮した「入門モデル」
最初に知っておいていただきたいのは、「KLX140R L」はクローズドコース専用の「コンペティションモデル」であるという点です。ウインカーやミラーなどの保安部品は装備されておらず、ナンバープレートを取得して公道や一般の交通に供する場所での走行は一切できません。
しかし、「コンペティション(競技)」といっても、ストイックなレース専用マシンという意味ではありません。このモーターサイクルの本質は、誰もが土の上での走行を楽しめる「オフロードライディングへの理想的な入門モデル」です。トランスポーターに積んでオフロードコースへ出かけ、泥んこになって遊ぶ、そんな休日の相棒として最適な一台です。

シート高:800mm
ライダーの身長:165cm

▲シート高が低く、サスペンションの沈み込みもあり、さらに脚が下ろしやすいスリムな設計によって、膝を伸ばし切ることなく、両足がべたりと接地しました。

▲シート高が低く、サスペンションの沈み込みもあり、さらに脚が下ろしやすいスリムな設計によって、膝を伸ばし切ることなく、両足がべたりと接地しました。
扱いやすさの要、空冷143cc単気筒エンジン

「KLX140R L」の心臓部には、総排気量143ccの空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブエンジンが搭載されています。
「エレクトリックスターター」を標準装備していることも特長。オフロードでの再始動は、足場の悪い場所ではキックペダルだと苦労することが多いもの。しかし、このモデルならプッシュボタン操作でエンジンが目覚めるため、転倒してしまった際や、コースの途中でエンストしてしまった際も、慌てずリカバリーが可能です。

▲プッシュボタン式エレクトリックスターターは、ハンドル左にキルスイッチとともに備わっています。
変速機には5速マニュアルトランスミッションを採用しており、クラッチ操作を覚えたいビギナーから、エンジンのパワーバンドを使い切りたいベテランまで、マニュアル操作の醍醐味を存分に味わうことができます。高回転型の特性を持ちながらも扱いやすく、スムーズな加速を楽しめるのが魅力です。

▲ブレーキは前後シングルディスクを採用しています。ペタルディスクの外径はフロントが220mm・リアが186mm。

▲スリムな車体。高張力鋼を使用した軽量なボックスセクション・ペリメターフレームは、優れた剛性と強度を確保しています。
「KLX140R L」と「KLX140R」は何がちがう?
「KLX140R L」という名前を見て、「L」が付いていないモデルもあるの? と疑問に思った方もいるかもしれません。じつは、このシリーズには国内未導入のベースモデル「KLX140R」が存在します。
では、この2台は何がちがうのでしょうか。

KLX140R(北米仕様車)

KLX140R L
1.ホイールサイズのちがい
最大のちがいは足まわりのサイズです。「KLX140R」がフロント17インチ・リア14インチの小径ホイールを採用しているのに対し、「KLX140R L」はフロント19インチ・リア16インチの大型ホイールを採用しています。この「L」は「Large Wheel(ラージホイール)」を意味しており、より高い走破性と安定性を実現しています。
2.シート高と車体サイズ
ホイールの大径化に伴い、車体サイズも異なります。「KLX140R L」のシート高は800mm。ベースモデルの「KLX140R」よりも一回り大きく、ミニモト(KLX110R Lなど)とフルサイズマシン(KLX230Rなど)のちょうど中間に位置するサイズ感となっています。
KLX140シリーズの歴史

この「KLX140」シリーズは、北米を中心に2008年モデルとしてデビューしたロングセラーモデルです。当初は「KLX140」「KLX140L」という名称で販売され、2021年モデルより現在の「R」が付く名称に統一されました。15年以上にわたり熟成されてきた信頼性の高い車体が、満を持して2026年モデルとして日本国内に導入されたのです。
どんな人におすすめ?



「KLX140R L」は、以下のようなライダーにとくにおすすめです。
オフロードデビューを目指す大人
フルサイズのマシン(シート高900mm超)は足つきが不安で怖い、という方でも、800mmのシート高なら安心してまたがれます。軽量な95kgの車体は、取りまわしも苦になりません。
ステップアップを目指すキッズ・ユース
KLX110R Lなどのミニモトを卒業し、次はクラッチ付きのモーターサイクルに乗りたいと考えているお子様のステップアップ車両として最適です(※お子様の走行に際しては、常に保護者の方による運転指導および安全管理をお願いいたします)。
気軽に遊びたいベテランライダー
「本気すぎるレーサーは疲れるけれど、ミニモトでは物足りない」というベテランのセカンドマシンとしても、この絶妙なサイズ感とパワーは純粋な「操る楽しさ」を提供してくれます。

カラーリングは、カワサキのモトクロッサー「KX」シリーズと共通のイメージを持つライムグリーン。本格的なルックスと扱いやすさを兼ね備えた「KLX140R L」は、これからのオフロードライフをより充実させてくれる一台となるでしょう。
レポート:Kawasaki Good Times 編集部/モデル:大冨 涼




