
11月も下旬に入り、本州では肌寒さを感じる季節となりましたが、ここ沖縄県宮古島は別世界です。 2025年11月22日(土)と23日(日)、透き通るような「宮古ブルー」の海と、“東洋一”とも称される白い砂浜が広がる「与那覇前浜ビーチ」にて、ジェットスキーファン待望のイベント「JET SHOP crew presents KAZE JET SKI Enjoy耐久 in 宮古島」が開催されました。
カワサキライダーたちにとって、KAZEの耐久イベントは単なるレースではありません。チームでバトンをつなぎ、マシンのポテンシャルを感じながら、何よりその瞬間を「楽しむ(Enjoy)」ことが最大のテーマです。今回は全国から総勢85チーム、335名ものライダーが集結。極上のロケーションの中、ジェットスキーを通じた熱い交流が繰り広げられました。
DAY 1:南国の風と波を楽しむ初日

大会初日の22日(土)は、気温22℃、天候は晴れ。風速8m、波高1.2mと、少し風があり、海面には程よいラフコンディションが形成されました。ジェットスキー乗りにとっては、この「波」こそが攻略のスパイスとなります。
タイムアタック&ランナバウトBクラス耐久
午前中は、純粋な速さと操縦技術を競う「タイムアタック」が行なわれた後、「ランナバウトBクラス2時間耐久レース」がスタートしました。 このクラスは初めての方でも安心して参加できるよう、参加上限艇数が20艇に設定されています。参加者は、それぞれのレベルで思う存分宮古島の海をジェットスキーで満喫しました。
19チーム75名がエントリーしたこのクラス、波のあるコンディションの中で抜群の安定感を見せたのは「ULTRA LX」を駆るチームでした。優勝を飾ったのは「奥産業2」。45周をマークし、見事なチームワークで表彰台の頂点に立ちました。続いて「sea-one」、「SEAWAVE」が続き、上位陣はいずれもULTRA LXの持つラフウォーターでの走破性を存分に発揮した結果となりました。
シングルクラス2時間耐久
午後からは、スタンドアップ(立ち乗り)モデルによる「シングルクラス2時間耐久レース」が開催されました。 ジェットスキーの原点ともいえるシングルモデル。波のある海面で2時間を走り抜くには、強靭な体力とバランス感覚が求められます。しかし、そこは「Enjoy耐久」。交代エリアではチームメイト同士が協力し合い、ゴールを目指す姿が多く見られました。
22チーム85名が挑んだこの過酷かつ爽快なレースを制したのは、36周を走り抜けた「房総マリーナ(BSMV号)」。SX-R-Xのポテンシャルを引き出し、見事な結果を残しました。2位には「テクニカルスポーツREDFOX」、3位には「WILD BOAR 優愛梨 姫星」が入賞。女性ライダーや若手ライダーの活躍も見られ、シングルスポーツの奥深さを感じるレースとなりました。

DAY 2:夏日の中で行なわれた熱戦
明けて23日(日)、宮古島は参加者たちを歓迎するかのように気温27℃まで上昇! まさに夏日となり、海の色はいっそう鮮やかなエメラルドグリーンに輝きました。風も5mと落ち着き、絶好のレース日和となりました。
ランナバウトAクラス3時間耐久
午前中に行なわれたのは、今大会最長となる「ランナバウトAクラス3時間耐久レース」。30チームが一斉にスタートを切る光景はまさに壮観そのものです。 3時間という長丁場では、ライダーの疲労もピークに達します。だからこそ、ピットに戻ってきた時の仲間との連携や、チーム全体のサポート体制が重要になります。
このタフなレースを制したのは、58周をマークした「PLUS ONE」。ULTRA LXの信頼性と燃費の良さを活かし、勝利を掴み取りました。2位には「SEA ONE with crew」、3位には「AOUT SWAP F.R」が続き、最後まで順位が入れ替わる白熱した展開に会場は大いに盛り上がりました。
スーパーランナバウトクラス2時間耐久
大会のフィナーレを飾るのは、ハイパワーマシンたちが集う「スーパーランナバウトクラス2時間耐久レース」。 圧倒的な加速力とトップスピードを誇るスーパーチャージャー搭載艇が、宮古島の海を快走します。その迫力あるエンジン音と水しぶきは、ギャラリーの視線を釘付けにしていました。
ハイレベルな戦いを制したのは、50周を記録した「奥産業」。マシンはULTRA 310シリーズ。圧倒的なパワーをコントロールしきった技術はさすがの一言です。2位の「team AVANZA」、3位の「ZUSHI EJ Racing」もハイペースでの周回を重ね、トップカテゴリーにふさわしい激戦を繰り広げました。
過酷な耐久レースを支えたマシンたち
今回の「Enjoy耐久」でも、多くのカワサキ艇がエントリーしていました。これからジェットスキーを始めたい方、新しいマシンへの乗り換えを検討している方のために、編集部が注目した今回活躍の主な機種の特徴を少し解説しましょう。
【JET SKI ULTRA LX】

Kawasaki
JET SKI ULTRA LX
写真は2023年モデル
~耐久レースの定番モデル~
今大会のランナバウトクラス(A・B共に)で圧倒的な装着率と入賞率を誇ったのが、自然吸気(NA)エンジンを搭載する「ULTRA LX」です。 最大の魅力は、スーパーチャージャー非搭載ならではの「燃費の良さ」と「扱いやすさ」。長時間の耐久レースにおいて、給油回数を減らせることは大きなアドバンテージになります。さらに、カワサキ特有のV型ハル(船底)は、宮古島のような外洋に面した波のある海面でも高い安定性を発揮。「疲れにくく、どこまでも走っていける」頼れるパートナーといえるでしょう。
【JET SKI ULTRA 310シリーズ】

Kawasaki
JET SKI ULTRA 310LX
写真は2024年モデル
~圧倒的な加速力~
スーパーランナバウトクラスで猛威を振るった、カワサキのフラッグシップモデル。最大出力300PSを誇るスーパーチャージャーエンジンが生み出す加速力は、一度味わうと病みつきになるほど。 レースシーンでの速さはもちろんですが、ツーリングにおいてもその余裕あるパワーは、タンデム(2人乗り)時などの快適性につながります。「誰よりも速く、ラグジュアリーに」を求めるライダーにとって、魅力的な選択肢です。
【JET SKI SX-R 160】

Kawasaki
JET SKI SX-R 160
写真は2024年モデル
~操る歓びの原点~
シングルクラスで活躍した4ストロークスタンドアップモデル。かつての2ストローク時代に比べ、船体が大きく安定しており、パワーも強大です。 「水の上に立つ」という独特の浮遊感と、体を使ってマシンをねじ伏せるスポーツ性は、スタンドアップならではの醍醐味。レースでの激しいバトルはもちろん、週末にブイを回るだけでも全身運動になり、爽快な汗をかけます。
表彰式、そしてまた来年へ

全レース終了後は、アトールホテル宮古島にて各クラスの表彰式が開催されました。 レース中はライバルとして競い合ったチーム同士も、互いの健闘を称え合い、同じ海を愛する仲間として交流を深めていました。
大きな事故もなく、無事に全日程を終了できたのは、参加された皆様の高い安全意識と「Enjoy」の精神があってこそでしょう。 宮古島の美しい海、最高の仲間、そして共に走り抜けた愛艇。すべてが揃った「KAZE JET SKI Enjoy耐久 in 宮古島」。
このレポートを読んで興味を持たれた方は、来年ぜひこの最高のロケーションで、風になる感覚を味わってみてはいかがでしょうか。Kawasaki Good Times編集部も、この熱気と笑顔の輪がさらに広がることを期待しています。
まとめ:Kawasaki Good Times 編集部



