カワサキモータースジャパン企画のオフロード体験イベント「KAZE Let’s Ride オフロード」が、2025年11月24日に大阪府・ライダーパーク生駒で開催されました。インストラクターは、2025年度も全日本モトクロス選手権に参戦した能塚智寛選手と、オフロード系YouTuberのマイカルチャンプさん。 今回は編集部の大冨が、話題の「KLX230 SHERPA」でオフロード走行を体験! その様子をレポートします。

「KAZE Let’s Ride」とは?

「KAZE Let’s Ride」は、カワサキモータースジャパンが企画するライディング体験イベントです。

本イベントは「カワサキモーターサイクルを楽しむ第一歩」として2024年より全国各地で開催されており、サーキット走行が楽しめる「KAZE Let’s Ride オンロード」と、オフロード走行にトライできる「KAZE Let’s Ride オフロード」の2つのプログラムが用意されています。

どちらのプログラムも、クローズドコースでプロが各々のレベルに合わせて指導してくれます。そのため、車両を買ったばかりの初心者からベテランまで、誰でも気軽に楽しめるのが魅力です。

画像: 「KAZE Let’s Ride」とは?

「KAZE Let’s Ride オフロード」に新クラスが追加!

初開催から2年目となる今回、オフロード走行を体験できる「KAZE Let’s Ride オフロード」に新しいクラスが追加。これまでも設定されていた、車両とライディングギアをフルレンタルで楽しむ「体験クラス」に加えて、自分の愛車で参加できる「トレールクラス」が用意されました。

この「トレールクラス」の特徴は、ナンバーの付いたオフロードモデル(KLX230など)と、プロテクター付きのライディングウエア、フルフェイスタイプのヘルメットといった、ツーリング用の安全装備があれば誰でも参加できる点です。車両メーカーの指定もありませんから、愛車でオフロードデビューしたいという方に最適です。

私は今回、特別に「KLX230 SHERPA」をお借りして体験してきました。

画像: Kawasaki KLX230 SHERPA 2025年モデル 総排気量:232cc エンジン形式:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒 シート高:845mm 車両重量:134kg 発売日:2024年12月25日 税込価格:63万8000円 ▶▶▶車両の詳細情報はこちら

Kawasaki
KLX230 SHERPA
2025年モデル

総排気量:232cc
エンジン形式:空冷4ストロークSOHC2バルブ単気筒
シート高:845mm
車両重量:134kg

発売日:2024年12月25日
税込価格:63万8000円

▶▶▶車両の詳細情報はこちら

画像: ▲こちらが2024年度も用意されていた「体験クラス」。モトクロスモデルと装備一式をすべてレンタルすることができるので、オフロードモデルを所有していない方でも参加が可能です。

▲こちらが2024年度も用意されていた「体験クラス」。モトクロスモデルと装備一式をすべてレンタルすることができるので、オフロードモデルを所有していない方でも参加が可能です。

【体験レポート】「KAZE Let’s Ride オフロード」トレールクラス

朝8時30分、受付スタート

会場となったのは、関西のオフロード乗りの間では有名なモトクロスコースだという、ライダーパーク生駒。ちょうど、大阪と奈良の県境である生駒山に位置しています。

11月下旬でしたが天気がよく、日差しもあり、暖かい一日でした。コース上の土は乾いており、存分にオフロード走行が楽しめそうな日和となりました。

画像1: 【体験レポート】「KAZE Let’s Ride オフロード」トレールクラス

本スクールは午前と午後の2部制です。私は午前の部に参加するため、受付は朝8時30分から。

会場に到着したら、さっそく受付へ。同意書を記入し、ウエアの上から着用するビブスを受け取ります。胸ポケットには手づくりの名札が入っており、コミュニケーションがとりやすいのも特徴です。

「トレールクラス」のウエアと装具

開校式は9時10分から。この時間までに、各自ライディングウエアに着替え、車両を準備していきます。 私は「トレールクラス」ですので、装備はすべて持参しました。

画像2: 【体験レポート】「KAZE Let’s Ride オフロード」トレールクラス

上半身はプロテクター入りインナーの上に、通気性の良いジャケットを着用。足元は膝プロテクターに加え、ハイカットのライディングシューズを合わせました。

グローブは薄手で操作のしやすいものを選んでいますが、万一の転倒に備えて、拳にプロテクションが入ったものを着用しています。

なお、「ツーリングの装備で参加OK」ではありますが、もしオフロードウエアやギアを所有していれば、それを使うに越したことはありません。

特に足元は、オフロードブーツを着用していた方がモーターサイクルの操作がしやすく、転倒時の怪我防止にも繋がりますから、心配であればレンタル(有料)の利用も検討してみてください。

クローズドコースを走るための車両の準備

画像3: 【体験レポート】「KAZE Let’s Ride オフロード」トレールクラス

着替えを終えたら、車両の準備に移ります。

クローズドコースでの走行では、万一の転倒時にパーツが割れて飛散するのを防ぐため、あらかじめミラーなどを外し、灯火類には養生テープを貼っておく必要があります。

KLX230 SHERPAの場合は、左右のミラーを外し、さらにヘッドライト、前後ウインカー、テールランプ、ナンバー灯をテープでしっかりと保護しました。加えてナンバープレートも取り外し、転倒時に曲がったり、破損したりすることを未然に防ぎます。

ちなみに、ミラーやナンバープレートを外すための工具やテープ類は借りることができます。

やり方が分からなければ、スタッフの方に声をかければレクチャーしてくれるので、自走で参加される方や、このような経験がはじめての方でも安心です。

これらに加えて大切なのが、タイヤの空気圧の調整です。

オフロード走行ではタイヤの空気圧を下げて潰れやすくすることで、地面との接地面積を増やして滑りにくくするのが一般的です。今回はスタッフの方の指示に従って、1.0kgf/cm²くらいまで下げました。

画像: ▲エアゲージを貸していただき、空気圧を調整。コンプレッサーも用意されているので、自走の方は帰り際、空気圧を元に戻すのを忘れずに!

▲エアゲージを貸していただき、空気圧を調整。コンプレッサーも用意されているので、自走の方は帰り際、空気圧を元に戻すのを忘れずに!

9時10分、開校式

画像4: 【体験レポート】「KAZE Let’s Ride オフロード」トレールクラス

そして9時10分、開校式。講師の方の紹介とともにはじまり、プログラムや注意事項などが参加者全員に共有されました。

午前の部の参加者は「トレールクラス」が10名、「体験クラス」が8名。それぞれ名札つきのビブスで色分けされており、青のビブスが「トレールクラス」、黄色のビブスが「体験クラス」、緑のビブスがスタッフの方です。

本格的なオフロードウエアに身を包んだおふたりですが、当のご本人たちはかなり和やかなムード。ちょっとした冗談を交えてお話ししてくださったので、場の緊張感が和らぎました。

乗り出す前に全員で準備体操。能塚選手とマイカルチャンプさん主導のもと、入念に身体をほぐしました。

9時40分、いざオフロードコースへ

先にも紹介しましたが、今回は「体験クラス」「トレールクラス」の2クラスがあり、それぞれ50分ずつ、場所と講師を変えて指導を受けます。

「トレールクラス」では、はじめに能塚選手のもとでコースを走りました。

まずは参加者のレベルにあわせて、短めかつ難易度の低いコースを周回します。

「はじめからコースなんて走れるのかな……」と不安でしたが、速度もかなりゆっくりでしたし、後ろの人に詰められることもなかったので、無事についていくことができました。

参加者が慣れ始めると、徐々にコースが長くなってゆき、最後の2周は傾斜を上ったり下ったりと、スタート時よりは少しハードなコースに。

傾斜の厳しい下り坂が少し怖かったのですが、1速・アイドリングくらいのトコトコとしたスピードで走れば、エンジンブレーキがしっかりと効いてくれるので思いのほか安心。

先導してくれる能塚選手もかなりペースを落として、参加者たちの様子を見ながら走ってくださるので、無理をすることなくコースをクリアすることができました。

画像: ▲思い切って能塚選手に質問。シートの座る位置やどうやって足をあげたらカッコいいのかなど、率直な質問に丁寧に対応してくださいました。

▲思い切って能塚選手に質問。シートの座る位置やどうやって足をあげたらカッコいいのかなど、率直な質問に丁寧に対応してくださいました。

画像: ▲コースをたっぷり走ったあとは、いったん休憩。20分間しっかり休む時間が設けられ、一旦ヘルメットを脱いで水分補給をしたり、汗を拭いたりと、各々自由に過ごしていました。

▲コースをたっぷり走ったあとは、いったん休憩。20分間しっかり休む時間が設けられ、一旦ヘルメットを脱いで水分補給をしたり、汗を拭いたりと、各々自由に過ごしていました。

10時50分、休憩を挟んで広場で基礎をブラッシュアップ

画像5: 【体験レポート】「KAZE Let’s Ride オフロード」トレールクラス

リフレッシュした後は場所を変えて、マイカルチャンプさんの指導を受けました。こちらでは、四隅に置かれたパイロンの周りを周回しつつ、オフロード車の基本的な操作方法をじっくり学びます。

この場所は、凸凹や傾斜のない広場となっているので、走行ラインは先のコースとは異なりとってもシンプル。

だからこそ、コースでは曖昧になってしまっていたライディングフォームや、スロットル、ブレーキの操作をひとつひとつ丁寧に考えて行うことができ、集中して自分の課題に向き合えました。

画像: ▲指導中もひとりひとりの動きを側で見て「いいね、いいね」と声をかけてくれるマイカルチャンプさん。初めての走行で苦戦している時でも前向きに練習できます。

▲指導中もひとりひとりの動きを側で見て「いいね、いいね」と声をかけてくれるマイカルチャンプさん。初めての走行で苦戦している時でも前向きに練習できます。

11時40分、走行終了! イベントはまだまだ続きます

お二人の指導を受け、ひとまずスクールは終了。実際に走った時間はほんの2時間ほどですが、身体はぽかぽか。もっと乗りたい!と思う反面、すでに上半身や太ももなどが筋肉痛に襲われていました。

この後11時50分からは、事前受付をされた方を対象に、大試乗会を開催。KLX230や、KLX230 SHERPA、さらにコンペティションモデルのKLX140R Lなどに乗ることができ、参加者は嬉々として時間いっぱい走行を楽しんでいました。

まとめ:「KAZE Let’s Ride オフロード」に参加して

今回私が参加させていただいた「KAZE Let’s Ride オフロード」トレールクラスは、「オフロードを走る」ということのハードルを大きく下げてくれるイベントでした。

はじめにコースを走った時は、能塚選手の先導のもと、自由なスタイルで走らせてもらえたことで、フォームの上手い・下手にとらわれず、純粋にオフロード走行のドキドキ感やワクワク感を味わうことができました。

コースが変わって距離が伸びるたびに、能塚選手が注意するポイントを教えてくださったので、「ここでアクセルを開けすぎたら危ないんだな」と予測しながら、転ばずに走ることができたのです。

そして、何度もコースを走ると、「ここをもう少し上手く曲がりたい……」と、自分の中でちょっとした課題が生まれます。

その課題を、マイカルチャンプさんの指導のもと繰り返し練習できたことで、はじめにコースを走った時よりも確かな安心感をもって、オフロード走行を楽しめました。

座る位置、ブレーキのかけ方、スロットルの開け方……など、基本的なことを改めて教えてくださったので、「次は絶対に今よりもっと上手に乗れる!」とイベント終了後に自信を持つことができました。

繰り返しになりますが、プロのサポートを受けられるクローズドコースでの走行は、万が一の時でも安心感が違います。

実際にモーターサイクルを購入しても、「ひとりで林道へ行くのは不安」という方は多いはず。本イベントは、そんな方が愛車を存分に走らせ、オフロードの面白さを味わえる、絶好の機会だと言えるでしょう。

画像: ▲最後はみんなで記念撮影! 充実感が抜群、「またオフロードを走りたい!」と思いました。

▲最後はみんなで記念撮影! 充実感が抜群、「またオフロードを走りたい!」と思いました。

本イベントは2026年度も開催予定です。

カワサキのモーターサイクルに乗っている方はもちろん、そうでない方でも、「オフロードモデルに乗ってみたい!」と、はじめの一歩を踏み出したい方には間違いなくおすすめのイベントですので、ぜひチェックしてみてください。

文:大冨 涼/写真:西野鉄兵、Kawasaki

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