2025年10月26日、全日本ロードレース選手権の最終戦が鈴鹿サーキットで開催されました。ST1000クラスに参戦しているKawasaki Plaza Racing Teamは、岩戸亮介選手と彌榮郡選手の2名体制で参戦しています。1年の集大成となるこのレースで、Ninja ZX-10Rがどのような走りを見せたのか。最終戦・決勝の模様をお伝えします。

ST1000クラスとは

マシンのベースはJSB1000と同じく市販のロードスポーツモデルで、総排気量も1000ccがほとんど。しかし、スーパーバイク世界選手権や、鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)のトップカテゴリであるEWCクラスと同じスペックのJSB1000とは違い、改造範囲が極めて狭く、市販状態に近いのがJSB1000との大きな違いです。

画像: ▲夏の風物詩「鈴鹿8時間耐久ロードレース」のSSTクラスに準ずるクラスであるST1000クラス。

▲夏の風物詩「鈴鹿8時間耐久ロードレース」のSSTクラスに準ずるクラスであるST1000クラス。

EWC世界耐久選手権シリーズの1戦として開催される鈴鹿8耐のSSTクラスと同じスペックで、タイヤはダンロップのワンメイク。ST1000クラスは、ライダーの技量とチームのセッティング力が如実に結果へ反映されるカテゴリと言えます。

Kawasaki Plaza Racing Teamは、全国のカワサキプラザ店とカワサキモータースジャパンが連携して活動する、カワサキプラザネットワークを代表するレーシングチームです。全国のファンや販売店とつながりながら、モータースポーツを通じて「走る歓び」と「ブランドの魅力」を発信しています。

チーム監督には今年も西嶋修氏が就任。マシンはNinja ZX-10Rをベースとし、全日本ロードレース選手権ST1000クラスに参戦しています。

チームを支えるのは、経験豊富な岩戸亮介選手と、若手の彌榮郡選手です。岩戸選手は福岡県出身で、ST1000クラスでは常に上位争いを演じる実力派。2022年には年間ランキング6位、2024年にはランキング2位を記録し、その安定した速さと技術力でチームの軸を担っています。

画像: ▲2019年からカワサキのマシンで国内外のレースに参戦している岩戸亮介選手。

▲2019年からカワサキのマシンで国内外のレースに参戦している岩戸亮介選手。

一方、彌榮選手はST1000クラス参戦2年目を迎える成長株です。2023年にはJ-GP3クラスでランキング2位という実績を残し、2024年は同チームからST1000に参戦。着実にステップアップを重ねています。

画像: ▲ST1000クラス、そしてKawasaki Plaza Racing Teamでの2年目を迎えた彌榮郡選手。

▲ST1000クラス、そしてKawasaki Plaza Racing Teamでの2年目を迎えた彌榮郡選手。

経験と若さが融合するこのチーム体制で、Kawasaki Plaza Racing Teamは今季も高い目標を掲げて挑戦を続けています。

難しいウェットコンディションのなか、2台そろって完走

土曜日に行われた予選では、岩戸亮介選手が6番グリッド、彌榮郡選手が自己ベストとなる8番グリッドを獲得。低迷が続いていたなか、両者ともに最終戦では復活・進化を予感させる結果となりました。

画像: ▲最終戦はあいにくのコンディションとなりました。

▲最終戦はあいにくのコンディションとなりました。

秋雨前線の影響を受け、朝から雨に見舞われた決勝日。雨脚が強くなり周回数も2周減算、10周で争われることになりました。ST1000クラスの決勝時間になると、雨脚は強まったり弱まったりを繰り返す難しいコンディションに。

画像: ▲スタート前に集中力を高めていく岩戸選手。

▲スタート前に集中力を高めていく岩戸選手。

スタートでは両ライダーともポジションを落とし、岩戸選手は13位、彌榮選手は14位でオープニングラップを消化。難しいウェットコンディションのなか、上位勢でも転倒者が相次ぐ事態となりました。

画像: ▲雨の中でも果敢にアタックを続けます!

▲雨の中でも果敢にアタックを続けます!

そんな悪コンディションでも彌榮選手、岩戸選手ともに集中力を切らすことなくポジションを上げていき、彌榮選手は10位でチェッカー。岩戸選手も粘り強く13位でフィニッシュし、チームとして2台揃って完走を果たしました。

画像: ▲エースの岩戸選手に先行した彌榮選手。3年目となる来季の活躍に期待!

▲エースの岩戸選手に先行した彌榮選手。3年目となる来季の活躍に期待!

両ライダーにとってこの結果は満足できるものではありません。しかし、苦難が続いた今シーズンにおいて、最終戦での結果は来季に繋がるものになるのではないでしょうか。レース後の悔しい表情には、2026年に向けた挑戦への静かな決意が宿っていたように見受けられました。

画像: ▲ペースが上がらないなか、粘り強い走りを見せてくれた岩戸選手。

▲ペースが上がらないなか、粘り強い走りを見せてくれた岩戸選手。

1年を通して積み上げた成果

2025シーズンのKawasaki Plaza Racing Teamは全国のカワサキプラザ、そしてカワサキファンの応援を背に、開幕から最終戦まで戦い抜きました。

2024年、ランキング2位だった岩戸選手の今年の目標はチャンピオン獲得。当然トップの座を狙っていたシーズンだけに、今季は苦難の1年となりました。

画像: ▲苦戦が続いた今季の岩戸選手。しかし、その瞳はすでに来季を見据えていました。

▲苦戦が続いた今季の岩戸選手。しかし、その瞳はすでに来季を見据えていました。

同クラス2年目を迎えた彌榮選手も、小排気量クラスからのスイッチに苦戦。しかし、岡山では初のシングルフィニッシュを果たし、最終戦ではベストグリッドを獲得しました。

画像: ▲J-GP3クラスから「飛び級」した彌榮選手。2年目となる今季は着実に順位を上げてきました。

▲J-GP3クラスから「飛び級」した彌榮選手。2年目となる今季は着実に順位を上げてきました。

マシン開発やチーム運営の面でも多くの成果を得るシーズンとなったはず。レース活動を通して得た経験は、今後のマシンづくりやライダー育成にフィードバックされていきます。

最終戦を終え、2025年シーズンは幕を閉じました。Kawasaki Plaza Racing Teamはこれからも「挑戦するカワサキ」を象徴する存在として、さらなる成長と進化を続けていきます。

来シーズンもNinja ZX-10Rとともに、情熱を胸に走り続けるKawasaki Plaza Racing Teamの活躍にご期待ください。

画像: ▲ファンの声援に応えるために、Kawasaki Plaza Racing Teamの戦いはこれからも続きます。

▲ファンの声援に応えるために、Kawasaki Plaza Racing Teamの戦いはこれからも続きます。

レポート:河村大志

This article is a sponsored article by
''.